エンジニア不足と採用難の本当の理由|2030年79万人・求人倍率10倍の構造と、採用以外で開発力を確保する4つの選択肢

2026.09.14|ノウハウ|文: 中元 亨

『求人を出しても応募が来ない。内定を出しても辞退される。経営陣には採用が遅いと言われる。うちに魅力がないのだろうか』——エンジニア採用を任された方から、当社にもこうした相談が毎月届きます。人材業界出身の私から先に言うと、その自責はほぼ的外れです。いま日本のエンジニア採用は、会社の魅力や採用担当の努力でどうにかなる段階を超えています。

結論から言うと、エンジニア不足は一時的なトレンドではなく、需要の拡大と供給の細りが同時に進む構造的な問題です。経済産業省の試算では2030年に最大79万人が不足し、全職業の有効求人倍率が1.11倍(厚生労働省・2026年5月)にとどまるなか、正社員IT人材の転職求人倍率は10倍を超えています。しかも不足しているのは頭数ではなく先端スキルと即戦力で、多くの企業が同じ人財を奪い合っているのが実情です。

だから打ち手は2本立てになります。採用は、要件の絞り込み・相場給与・技術的魅力の訴求・選考の高速化で改善を続ける。同時に、採用できない前提で開発力を確保する体制を設計する。育成・SES/フリーランス・外国人エンジニア採用/EOR・オフショア/ラボ型の4つを費用と即効性で比べ、コア人材は社内に残しながら実装の手を外部で確保する。この役割分担ができれば、採用の消耗戦から抜けられます。

この記事では、①公的データで見る不足の現状と足りない職種、②不足の原因(需要・供給・技術・ひとり情シス)と企業への影響、③採用が難しい構造要因と自社要因の切り分け、改善策、④採用以外の4つの選択肢を費用・即効性・定着・管理負荷で比べた表、⑤採用に依存しない体制の組み方と当社の2つの対応、の順で整理します。

私は人材業界出身で、2018年からホーチミンに住み、約100社の日系企業に2,000名以上のIT人財データベースから人財を紹介してきました。日本で直接雇いたい会社には外国人エンジニアの採用支援と雇用代行(EOR)を、開発力を早く確保したい会社には日本人PM付きのラボ型を提供しています。採用の数字と選択肢の費用を同じ土台に並べて書きますので、「採れない」を「どう回すか」に変えたい方は、このまま読み進めてください。

目次
  1. エンジニア不足の現状
  2. 結論: 不足は構造的で、待っても解消しない。足りないのは頭数ではなく先端スキルと即戦力
  3. 数字で見る不足
  4. 特に不足する職種
  5. 「自社に魅力がないから採れない」は的外れ
  6. エンジニア不足の原因と企業への影響
  7. 需要側——DX・AI・クラウドで全業種がエンジニアを必要としている
  8. 供給側——若手の流入の細り、高齢化とイメージ
  9. 技術の速さと属人化、ひとり情シスの疲弊
  10. 企業への影響
  11. エンジニア採用が難しい理由と、自社でできる改善策
  12. 構造要因5つ
  13. 自社要因——要件の曖昧さ、相場と合わない給与、技術的魅力の訴求不足、選考の遅さ、受け身の手法、内定後フォロー
  14. 改善策——Must/Wantの要件、相場給与、技術広報、ダイレクトリクルーティングとリファラル、選考の高速化、現場の巻き込み
  15. それでも採れない前提で考える
  16. 採用以外の4つの選択肢
  17. 4つの選択肢の比較表
  18. 育成・リスキリング
  19. SES・フリーランス
  20. 外国人エンジニア採用・EOR
  21. オフショア・ラボ型
  22. 採用に依存しない体制の組み方
  23. 役割を分ける
  24. 当社の2つの対応
  25. 順番が肝心——採用に依存しない開発力を先に作ると採用にも効く
  26. 【FAQ】エンジニア不足・採用難に関するよくある質問
  27. エンジニアはどれくらい不足していますか?
  28. エンジニア採用が難しいのは自社に魅力がないからですか?
  29. 採用を改善するには何から始めればよいですか?
  30. 採用できない場合、開発力はどう確保しますか?
  31. 外国人エンジニアやオフショアで日本語と品質は大丈夫ですか?
  32. まとめ: エンジニア不足は構造

エンジニア不足の現状——公的データで見る2030年の需給ギャップと求人倍率

求人倍率のグラフを確認する人事担当者のデスク

まず「本当に不足しているのか」に数字で答えます。経営陣に採用の難しさを説明するときも、代替案を提案するときも、出発点は公的データです。この章では経済産業省・IPA・厚生労働省の数値と、転職市場の求人倍率を並べ、不足の中身を整理します。

結論: 不足は構造的で、待っても解消しない。足りないのは頭数ではなく先端スキルと即戦力

エンジニア不足は、需要の拡大と供給の細りが同時に進む構造的な問題です。経済産業省の試算では2030年に最大79万人が不足し、DXを推進する人材が不足している企業は85.1%に達します。ただし同じ試算で、従来型のIT人材はむしろ余剰が見込まれています。つまり不足しているのは頭数ではなく、先端スキルを持つ人材と、すぐに戦力になる即戦力です。多くの企業がこの限られた層を奪い合っているため、採用の難しさは会社の魅力や採用担当の努力で解消できる段階を超えているのが実情です。

数字で見る不足——2030年に最大79万人、DX人材不足85.1%、転職求人倍率10倍超

指標

数値

出典・時点

2030年のIT人材の不足数

中位シナリオ約45万人、高位シナリオ最大約79万人

経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年)

DX推進人材が不足している企業

85.1%(「やや不足」「大幅に不足」の合計)。米国・ドイツは「過不足なし」「やや過剰」が多数

IPA「DX動向2025」

全職業の有効求人倍率(常用・パート除く)

1.11倍、新規求人倍率1.95倍

厚生労働省「一般職業紹介状況」令和8年5月分(2026年6月30日公表)

正社員IT人材の転職求人倍率

10.4倍。サイバーセキュリティ領域は42.6倍

レバテックが自社の転職支援サービスのデータとして公表(2025年12月時点)

有効求人倍率は公共職業安定所の数字で、転職市場の実態はさらに厳しい。正社員IT人材の転職求人倍率10倍超は、1人の求職者を10社以上が取り合っている状態で、潤沢な資金を持つ大企業でも即戦力の確保に苦戦しています。地方の中小企業なら、応募がほぼ来ないのは統計的に当然です。

特に不足する職種——AI・データ・クラウド・セキュリティ・ビジネスアーキテクト

職種・領域

不足の背景

AIエンジニア・データサイエンティスト・データエンジニア

生成AIの活用は広がったが、社内データを整えるデータマネジメント人材が枯渇。モデルより先にデータ整備で止まる案件が多い

クラウドエンジニア

全業種のクラウド移行

セキュリティエンジニア

求人倍率は42.6倍(レバテックが自社データとして公表・2025年12月時点)。不審アクセスの増加で守りの需要が急増

プロジェクトマネージャー・ビジネスアーキテクト

IPAの調査で最も不足。事業課題とITをつなぐ人材

レガシー保守(Java等の特定言語)

基幹システムの維持に人員を割かれる

不足は「先端」と「上流」に集中しています。裏返せば、仕様書に基づく実装・テストの手は、国内で奪い合うよりも外部や海外で確保しやすい領域です。この分業の視点が、後半の体制設計につながります。

「自社に魅力がないから採れない」は的外れ

人材業界出身の立場で断言しますが、いま採用できない主因は自社の魅力不足ではなく、市場に即戦力が余っていないことです。当社に相談に来る会社の多くも「半年採用できず、開発計画が止まっている」状態で、その大半は待遇も環境も平均以上です。自責で採用手法だけを変えても、同じパイを奪い合う構造は変わりません。では、この構造はなぜ生まれ、いつまで続くのか。次の章で原因を分解します。

エンジニア不足の原因と企業への影響——需要の拡大、供給の細り、技術の速さ、ひとり情シス

ひとり情シスとして障害対応に追われる担当者

不足の原因は1つではなく、需要・供給・技術・現場の4つが同時に進んでいます。だから「景気が落ち着けば採れる」「給与を上げれば解決する」という見立ては外れます。この章では4つの原因と、企業に起きる影響を整理します。

需要側——DX・AI・クラウドで全業種がエンジニアを必要としている

かつてエンジニアを雇うのはIT企業でしたが、いまは製造・小売・金融・物流・医療まで、全業種がDX・AI活用・クラウド移行を進めています。非IT業種でも基幹システムの刷新や顧客接点のデジタル化が同時に走り、社内に開発を分かる人がいないまま案件だけが積み上がっています。生成AIを入れた企業でも、モデルを動かす前提となる社内データの整備が追いつかず、データを扱える人材への需要が新たに生まれています。当社が採用支援で受ける相談も、以前はIT企業が中心でしたが、いまは製造・物流・医療といった非IT業種からの引き合いが目立ちます。需要は業種を超えて増え続けている、というのが第1の原因です。

供給側——若手の流入の細り、高齢化とイメージ

供給側はさらに深刻です。少子高齢化で働き手そのものが減るうえ、エンジニアの高齢化も進み、「きつい」「長時間労働」という業界イメージが若手の流入を妨げています。当社が日系企業の採用を支援してきた実感でも、若手エンジニアの母集団は年々細っており、新卒採用や未経験者の育成だけで穴を埋めようとしても、現場が必要とする時期には間に合いません。入ってくる人より辞める人・離れる人のほうが多い前提で体制を設計するしかない、というのが供給側の実情です。

技術の速さと属人化、ひとり情シスの疲弊

第3に、技術革新の速さです。クラウド・AI・セキュリティの技術は数年で入れ替わり、教育や研修が現場のニーズに追いつかず、即戦力が育ちにくい。多くの現場では業務が個人に依存してブラックボックス化し、キャリアの自律性を評価する仕組みも未整備なため、有能なエンジニアほど条件の良い会社へ転職します。採用できても、学べる環境と裁量を用意できなければ定着しない、というのが第3の原因です。

第4に、現場の疲弊です。中小・中堅企業では、システム部門を1人で回す「ひとり情シス」や、専任者がいない「ゼロ情シス」が珍しくありません。障害対応とセキュリティの守りに追われ、DXやAIといった攻めの体制を組む余力がありません。守りに人を取られ、攻めの人材を採れず、既存の担当者が疲弊して辞める——この連鎖が不足を加速させています。

企業への影響——開発計画の停止、レガシー化、離職の連鎖、セキュリティ

企業に起きる影響は明確です。開発計画が止まり、新規事業や業務改善が先送りになる。既存システムがレガシー化し、改修できる人がいなくなる。残ったエンジニアに負荷が集中して離職が連鎖する。セキュリティ対応が手薄になり、事故のリスクが上がる。そして多くの企業が、即戦力を求めて高い採用コストをかけ、採れても定着せず、また探す——という無限ループに陥っています。構造を理解しないまま「今まで通りの国内即戦力採用」に固執することが、失敗のもとです。とはいえ採用を止めるわけにはいきません。次の章では、採用が難しい理由を構造要因と自社要因に切り分け、自社で動かせる改善策を整理します。

エンジニア採用が難しい理由と、自社でできる改善策——構造要因と自社要因を切り分ける

エンジニア採用の面接で技術要件を話し合う面接官と候補者

採用が難しい理由には、市場全体の構造要因と、自社で動かせる要因が混ざっています。この2つを切り分けないと、構造要因に採用担当の努力で挑んで疲弊するか、自社要因を放置して機会を逃すかのどちらかになります。

構造要因5つ——競争激化、フリーランス転向、離職防止、スキル見極め、条件不一致

構造要因

何が起きているか

1. 企業間競争の激化

IT市場の拡大で全業種が採用に参入。転職求人倍率10倍超

2. フリーランス転向の増加

リモートと副業の普及で、優秀層ほど正社員市場から離れる。正社員の給与水準では引き合わない単価が案件側から提示される

3. 各社の離職防止

在籍企業が待遇改善と引き留めを強化し、転職市場に出てこない

4. スキル見極めの難しさ

書類と面接だけでは技術力が測れず、採用のミスマッチと早期離職が起きる

5. 条件・待遇の不一致

エンジニアの希望年収・働き方と企業の提示条件がずれる

この5つは、1社の努力では変えられません。ここに「もっと頑張れ」を投入しても、採用担当が疲弊するだけです。

自社要因——要件の曖昧さ、相場と合わない給与、技術的魅力の訴求不足、選考の遅さ、受け身の手法、内定後フォロー

一方で、自社で動かせる要因もあります。採用ターゲットと要件が曖昧で「フルスタックで即戦力」と全部盛りになっている。給与や待遇が市場相場と合っていない。求人票に技術スタック・開発体制・裁量など、エンジニアに伝わる技術的な魅力が書かれていない。選考スピードが遅く、他社に先に決まる。面接官にエンジニアの見極め知識がない。求人媒体に出して待つ受け身の手法に偏っている。内定から入社までのフォローが薄く辞退される。当社に相談に来る会社の求人票を見ると、この自社要因が2つ以上重なっている例が少なくありません。

改善策——Must/Wantの要件、相場給与、技術広報、ダイレクトリクルーティングとリファラル、選考の高速化、現場の巻き込み

  1. 要件をMust(必須)とWant(歓迎)に分ける: 「全部できる人」ではなく、今の案件で本当に必要な技術だけをMustにする。要件を1つ緩めるだけで母集団は数倍になります
  2. 給与を市場相場に合わせる: 相場を下回る条件で応募は来ません。相場はエンジニア単価の相場エンジニア採用費用の相場で整理しています
  3. 技術的魅力を発信する(技術広報): エンジニアが転職で最も重視するのは「仕事内容のやりがい」と「自己成長性」、新卒は「挑戦できる環境」です。福利厚生より、技術スタック・プロジェクトの中身・裁量・成長環境を求人票とブログで具体的に書く
  4. ダイレクトリクルーティングとリファラルを併用する: 待つのではなく、要件に合う候補者に直接アプローチする。社員紹介はミスマッチが少ない
  5. 選考を速くする: 書類から内定まで2週間以内を目標に。技術テストやディスカッションでスキルを見極め、書類だけで判断しない
  6. 現場エンジニアを巻き込む: 面接・技術評価・訴求ポイントの整理に現場が入ると、見極めの精度と候補者の納得感が上がる

それでも採れない前提で考える

改善策を全部やっても、転職求人倍率10倍超の市場で、地方の中小企業や知名度の低い会社が即戦力を短期に採れる保証はありません。改善は続けるべきですが、開発計画を採用の成否に賭けるのは失敗のもとです。採れない前提で、開発力をどう確保するか。次の章で4つの選択肢を比べます。

採用以外の4つの選択肢——育成・SES/フリーランス・外国人採用/EOR・オフショア/ラボ型を費用と即効性で比べる

日本とベトナムをつなぐ開発チームのオンライン会議

国内の即戦力採用が構造的に難しいなら、開発力を確保する手段は採用以外に4つあります。それぞれ費用・即効性・定着・管理負荷がまったく違うため、同じ土台で比べてから組み合わせるのが、消耗戦から抜ける唯一の方法です。

4つの選択肢の比較表——費用・即効性・定着・管理負荷・向くケース

選択肢

費用の目安(2026年時点)

即効性

定着・継続

管理負荷

向いているケース

育成・リスキリング

研修費+育成期間の人件費。助成金で一部補助

低(1〜2年)

高(自社人材)

中(教える人が要る)

コア人材を中長期で育てたい

SES・フリーランス

一次統計がなく金額は非掲載(SES・フリーランスとも)

高(数週間)

低〜中(案件単位)

低〜中(フリーランスはPM・品質を自社で)

短期の増員、特定スキルの補強

外国人エンジニア採用・EOR

日本採用は日本人と同等の年収水準。EORは給与+法定費用+手数料の月額

中(2〜4か月。EORは数週間)

高(自社メンバー)

中(ビザ・受け入れ。EORは労務を代行)

自社メンバーとして直接雇いたい

オフショア・ラボ型

実務3年目安 月額約22.5万円(1,500USD)、日本人PM付き最小構成 月額約80万円〜

高(最短2週間)

中〜高(専属チーム・交代保証)

低(日本人PMがフロント)

開発力を早く・安定して確保したい

エンジニア不足の会社が採用以外で開発力を確保する4つの選択肢——育成・SES/フリーランス・外国人採用/EOR・ラボ型の費用と即効性の比較

費用だけを見るとラボ型が最も低く、定着だけを見ると育成と直接雇用が高い。だから正解は1つを選ぶことではなく、役割ごとに組み合わせることです(次章)。

育成・リスキリング——助成金で中長期に、ただし1〜2年

社内の既存社員をエンジニアやデータ人材に育てるリスキリングは、定着とノウハウの面で最も強い手段です。厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)を使えば、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部に助成を受けられます。支給要件と助成率は改正が重なっているため、計画届を出す前に管轄の都道府県労働局で最新の支給要領を確認してください。ただし即戦力になるまで1〜2年かかり、教える側の工数も要ります。

SES・フリーランス——早いが単価は高止まり

SESやフリーランスは数週間で参画でき、特定スキルの補強に向きます。一方で単価は国内の人材不足を反映して高止まりしています。案件単位のため長期の継続は読みにくく、フリーランスではPMと品質保証を自社で担う必要があります。

外国人エンジニア採用・EOR——日本語N1〜N2の人財を直接雇う

国内の供給が細る一方で、ベトナムをはじめ海外には日本語N1〜N2のエンジニアが増えています。ただし、日本で正社員として採用する以上、年収は日本人と大きく変わりません。変わるのは母数で、採用はしやすくなります。在留資格と受け入れの準備に2〜4か月かかります(詳しくは外国人エンジニアの採用)。日本の法人に雇わず、現地で自社メンバーとして雇いたい場合は雇用代行(EOR)で、代行会社が法律上の雇用主となり、数週間で始められます。

オフショア・ラボ型——最短2週間で専任チーム(当社の例)

開発力を早く安定して確保したいなら、ラボ型のオフショア開発です。当社では2,000名以上の日本語人財データベースから専任チームを組み、実務3年目安のエンジニアを月額1,500USD(約22.5万円)で公開しています。日本人PMまたはブリッジSEをフロントに置いた最小構成が月額約80万円から、1名から最短2週間で開始でき、増員は1週間、合わない場合は1か月単位で交代できます。品質はGitのプルリクエストによるコードレビューとリリース前のダブルチェックで担保し、時差2時間で日次の同期が組めます(詳しくはラボ型開発とSESの違いオフショア開発の品質)。では、これらをどう組み合わせて体制にするか。次の章で役割分担の型を示します。

採用に依存しない体制の組み方——コア人材は社内、開発力は外部(当社の例)

社内のコア人材と外部の開発チームが役割を分けて働くオフィス

4つの選択肢を1つ選ぶのではなく、役割ごとに組み合わせるのが体制設計です。丸投げではノウハウが残らず、全部内製では採用待ちで止まる。当社が約100社の相談で勧めてきた型は「コア人材は社内、実装の手は外部」です。

役割を分ける——要件を決め設計を見る人は社内に、実装の手は外部に

役割

何をするか

確保の手段

コア人材(プロダクトオーナー・アーキテクト)

事業と技術をつなぎ、要件を決め、設計とレビューを見る

採用(改善策を続ける)+育成・リスキリング。1〜2名で足りる

実装・テストの手

仕様に基づく開発、テスト、運用

ラボ型の専属チーム、必要に応じてSES・フリーランスで補強

特定スキル(AI・セキュリティ等)

スポットの高度技術

フリーランス・専門会社

自社メンバーとして長期に

中核の開発者

外国人エンジニア採用・EORで直接雇用

採用に依存しない体制の組み方——コア人材は社内に残し、実装の手は外部で確保する役割分担(当社の例)

不足しているのは上流と先端で、実装の手は外部で確保しやすい、という第1章の構造がここで効きます。社内に残すのは「何を作るかを決め、出来を見る人」で、その1〜2名の採用と育成に力を集中する。実装は専属チームに任せ、ノウハウはドキュメントとレビューで社内に残す。これが採用に依存しない体制です。

当社の2つの対応——人財DBによる外国人採用支援・EORと、日本人PM付きラボ型

当社の対応は2つに分かれます。日本で直接雇いたい会社には、グループの人材紹介事業が持つ2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2中心、日本での勤務経験者多数)から外国人エンジニアの採用を支援し、法人がなくてもベトナムで自社メンバーとして雇える雇用代行(EOR)も用意しています。開発力を早く確保したい会社には、日本人PMをフロントに置いたラボ型で、最短2週間で専任チームを組みます。

ある受託開発会社は、エンジニア不足で案件を断っていましたが、国内採用を続けながらラボ型で3名を確保し、断っていた案件を受けられるようになりました。採用が決まるのを待っていたら、その半年の売上はありませんでした。

順番が肝心——採用に依存しない開発力を先に作ると採用にも効く

「採用を諦めた」と見られることを心配する人事の方がいますが、順番は逆です。開発が回っていれば、採用の焦りが消え、要件を絞り、条件と訴求を整える余裕が生まれる。焦った採用ほど要件が全部盛りになり、辞退と早期離職を招きます。採用に依存しない開発力を先に作り、そのうえでコア人材を丁寧に採る。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、役割の分け方と各手段の概算を一緒に整理します。エンジニア不足の時代に開発を止めない設計は、採用の成否ではなく、役割分担で決まるもの。

【FAQ】エンジニア不足・採用難に関するよくある質問

オンライン相談でエンジニア不足の質問に答える担当者

エンジニア不足と採用について、当社によく寄せられる質問をまとめました。自社の役割分担と各手段の概算は、現在の体制と要件をお聞かせいただければ無料相談でお答えします。

エンジニアはどれくらい不足していますか?

経済産業省の試算で2030年に中位約45万人、高位で最大約79万人が不足します。IPAの調査ではDX推進人材が不足する企業は85.1%、厚生労働省の2026年5月分で全職業の有効求人倍率は1.11倍、正社員IT人材の転職求人倍率は10倍超です。不足の中身は先端スキルと即戦力です。

エンジニア採用が難しいのは自社に魅力がないからですか?

主因は構造的な供給不足で、転職求人倍率10倍超の市場では大企業も即戦力確保に苦戦しています。ただし要件の全部盛り・相場と合わない給与・技術的魅力の訴求不足・選考の遅さは自社で直せる要因です。

採用を改善するには何から始めればよいですか?

要件をMustとWantに分けることです。「フルスタックで即戦力」を今の案件に必要な技術だけに絞るだけで母集団は数倍になります。次に相場給与、技術広報、ダイレクトリクルーティング、2週間以内の選考を整えてください。

採用できない場合、開発力はどう確保しますか?

育成(1〜2年)、SES・フリーランス(数週間)、外国人エンジニア採用・EOR(年収は日本人と同等・2〜4か月)、ラボ型(月額約22.5万円=1,500USD・1USD=150円換算の目安のエンジニア・最短2週間)の4つを、コア人材は社内・実装の手は外部という役割分担で組み合わせます。

外国人エンジニアやオフショアで日本語と品質は大丈夫ですか?

日本語N1〜N2のエンジニアは増えており、当社の人財データベースは日本での勤務経験者が中心です。ラボ型では日本人PMがフロントに立ち、コードレビューとダブルチェックで品質を担保する体制。

まとめ: エンジニア不足は構造——採用は改善しつつ、採用に依存しない開発力を先に作る

エンジニア不足は、需要の拡大と供給の細りが同時に進む構造的な問題です。経済産業省の試算で2030年に最大79万人が不足し、DX推進人材が不足する企業は85.1%、全職業の有効求人倍率が1.11倍(厚生労働省・2026年5月)にとどまる一方で、正社員IT人材の転職求人倍率は10倍超。不足しているのは頭数ではなく先端スキルと即戦力で、若手の流入が細る以上、待っても解消しません。だから「自社に魅力がないから採れない」という自責は的外れです。採用は、要件をMustとWantに分け、相場給与、技術広報、ダイレクトリクルーティング、2週間以内の選考で改善を続ける。同時に、採れない前提で、育成(1〜2年)・SES/フリーランス(数週間)・外国人エンジニア採用/EOR(年収は日本人と同等・2〜4か月)・ラボ型(月額約22.5万円=1,500USD・1USD=150円換算の目安のエンジニア・最短2週間)を費用と即効性で比べ、コア人材は社内、実装の手は外部という役割分担で体制を組む。開発が回っていれば採用の焦りが消え、結果的に採用にも効きます。

行動に移すなら、次の順で進めてください。

  1. 公的データで不足の構造を経営陣と共有し、採用の成否に開発計画を賭けない前提をそろえる
  2. 採用要件をMustとWantに分け、給与を相場に合わせ、技術的魅力を求人票とブログで発信し、選考を2週間以内にする
  3. 社内に残すコア人材(要件を決め設計を見る1〜2名)と、外部で確保する実装の手を分ける
  4. 育成・SES/フリーランス・外国人採用/EOR・ラボ型を費用・即効性・定着・管理負荷で比べ、役割ごとに組み合わせる

当社は、グループの人材紹介事業が持つ2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2中心)から、外国人エンジニアの採用支援と雇用代行(EOR)、日本人PM付きのラボ型開発(実務3年目安 月額1,500USD=約22.5万円、最小構成 月額約80万円〜、最短2週間)を提供しています。現在の体制と要件をお聞かせください。役割の分け方と各手段の概算を一緒に整理し、開発を止めない体制をご提案します。

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