高度人材ビザとエンジニア採用【2026年版】技人国との違い・ポイント計算・申請の流れと落ちやすい3点

2026.09.14|ノウハウ|文: 中元 亨

「ベトナム人エンジニアに内定を出したが、高度人材ビザというものを取るべきなのか、それとも普通の就労ビザでよいのか」——外国人エンジニアの採用を初めて進める方から、こうした相談をよく受けます。制度の名前は聞いたことがあるが、自社の候補者が該当するのか、いつ入社できるのか、不許可になる条件は何か。調べるほど言葉が増えて、判断が止まってしまう。

結論から言うと、エンジニア採用で実際に使われる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」(技人国)です。「高度人材ビザ」の正式名称は「高度専門職」で、エンジニアが該当するのは1号ロ。これは技人国の土台のうえに、ポイント計算70点以上と年収300万円以上という条件が揃った人だけが選べる上位の選択肢です。まず技人国で通る前提を固め、条件が揃う人には1号ロを検討する。この順序で考えると、判断はシンプルになります。

そして、もうひとつ押さえておきたいことがあります。在留資格は採用の手段であって目的ではない、ということです。日本に呼ぶ以外にも、現地で雇う(雇用代行・EOR)、開発そのものを委託する(ラボ型)という選択肢があります。この2つには在留資格の手続がありません。呼ぶことだけを前提に進めるのは、失敗のもとです。

本記事では、技人国と高度専門職1号ロの違い、ポイント制の配点とエンジニア採用でよくある3パターンの試算、70点と80点で変わること、申請の流れと審査期間の目安・必要書類・企業側のカテゴリー区分、落ちやすい3つのポイント、そして呼ぶ・現地で雇う・委託するの3択比較の順に解説します。制度の記述は出入国在留管理庁の公表資料(2026年9月時点)に基づく一般的な整理であり、法的助言ではありません。

私は人材業界の出身で、2018年からホーチミンでベトナムオフショア開発の体制づくりに携わり、約100社の相談に乗ってきました。在留資格の相談でいちばん多いのは「内定は出したが、いつ入社できるか読めない」という声です。この記事を読み終えるころには、自社の候補者にどの在留資格を使い、いつ入社できる見込みで、どこで落ちやすいのかが判断できるはずです。

目次
  1. 「高度人材ビザ」の正式名称は高度専門職
  2. まず土台: 技術・人文知識・国際業務(技人国)とは
  3. 高度専門職1号ロとは
  4. 技人国と高度専門職1号ロの違い(比較表)
  5. エンジニア採用で実際に使われるのはどちらか
  6. 高度人材ポイント制の計算
  7. ポイント配点表(高度専門職1号ロ・高度専門・技術活動)
  8. エンジニア採用でよくある3パターンの試算
  9. 70点で得られるもの、80点で変わるもの
  10. ポイント計算が不要な上位制度: 特別高度人材(J-Skip)と高度専門職2号
  11. 申請の流れ、審査期間の目安、必要書類、企業側のカテゴリー区分
  12. 在留資格認定証明書(COE)から入社までの流れと逆算の目安
  13. 審査期間の目安(出入国在留管理庁 令和8年7月許可分・全国平均)
  14. 企業側のカテゴリー1〜4
  15. 必要書類の全体像(共通・技人国・高度専門職の上乗せ)
  16. 落ちやすい3つのポイント
  17. 落ちやすいポイントの一覧表(何が問われるか・準備の仕方)
  18. 2026年4月15日以降の追加書類
  19. 採用側が内定前にやっておくこと4つ
  20. 呼ぶ・現地で雇う・委託する
  21. 3択の比較表(在留資格の要否・着手までの期間・費用の目安・向く案件)
  22. それぞれが向く場面と、向かない場面
  23. 当社の位置づけ
  24. 高度人材ビザとエンジニア採用でよくある質問
  25. Q1. 技人国で入国した後、高度専門職1号ロに変更できますか?
  26. Q2. ポイントが70点に届かない候補者は採用できませんか?
  27. Q3. 高度専門職の人が転職したらどうなりますか?
  28. Q4. 更新のときにポイントが70点を下回っていたら、どうなりますか?
  29. Q5. 日本語ができないエンジニアは、そもそも採用できませんか?
  30. まとめ: 入口は技人国、条件が揃えば高度専門職1号ロ

「高度人材ビザ」の正式名称は高度専門職——エンジニアは1号ロ、技人国との違いを先に押さえる

技術・人文知識・国際業務と高度専門職1号ロの違いを確認する場面

最初に用語を整理します。「高度人材ビザ」という名前の在留資格は存在しません。正式には在留資格「高度専門職」で、高度人材ポイント制という仕組みで点数を計算し、一定の点数に達した人に許可されるものです。エンジニアが該当するのは、そのうちの「高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)」です。そして、この1号ロを理解するには、その土台にある「技術・人文知識・国際業務」(以下、技人国)を先に押さえる必要があります。なお、以下の制度の記述は出入国在留管理庁(以下、入管庁)の公表資料に基づく2026年9月時点の一般的な整理であり、法的助言ではありません。

まず土台: 技術・人文知識・国際業務(技人国)とは——該当する活動と上陸許可基準

技人国は、入管庁の説明では「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務」等に従事する活動に与えられる在留資格です。該当例として「機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、私企業の語学教師、マーケティング業務従事者等」が挙げられており、システムエンジニアやプログラマーはここに入ります。在留期間は5年、3年、1年または3月です。

要件の骨格は3つです。(1)従事する業務に必要な技術・知識に関連する科目を専攻して大学等を卒業していること、または関連する業務について10年以上の実務経験があること。(2)日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。(3)会社との契約(多くは雇用契約)があること。IT技術者については、法務大臣が特例告示で定める情報処理技術に関する試験の合格または資格の保有が、学歴・実務経験に代わる要件として認められています。基本情報技術者試験や応用情報技術者試験、各種スペシャリスト試験がこれに当たります。

令和7年6月末時点で、技人国の在留者は458,109人。在留資格別では「永住者」に次ぐ2位で、国籍別ではベトナムが660,483人と2位を占めます(入管庁)。エンジニア採用で日常的に使われているのは、まぎれもなくこの在留資格です。

高度専門職1号ロとは——ポイント70点以上+年収300万円以上の上位の選択肢

高度専門職は活動の内容で3つに分かれます。1号イが高度学術研究活動(研究、研究の指導、教育)、1号ロが高度専門・技術活動(自然科学または人文科学の分野に属する知識・技術を要する業務)、1号ハが高度経営・管理活動(事業の経営・管理)です。ITエンジニアは1号ロで、技人国のほか「企業内転勤」「法律・会計業務」「医療」の活動も行えます。

1号ロの許可を受けるには、入管庁が定めるポイント計算表で合計70点以上であることが必要です。加えて、就労後の予定年収が300万円以上でなければ申請要件を満たしません。つまり、技人国の要件をクリアしたうえで、ポイントと年収の条件が上乗せされる構造です。「高度専門職のほうが取りやすい」という誤解を時々見かけますが、逆です。難易度は上がり、そのぶん優遇が大きくなる。この理解が出発点になります。

技人国と高度専門職1号ロの違い(比較表)

2つの在留資格を、採用側が気にする項目で並べます。審査期間は入管庁が公表している令和8年7月許可分の全国平均です。

項目

技術・人文知識・国際業務

高度専門職1号ロ

主な対象

システムエンジニア、プログラマー、通訳、デザイナー等

同左のうちポイント70点以上かつ年収300万円以上の人

追加の要件

なし(学歴または10年の実務経験、報酬の同等性)

ポイント計算70点以上、年収300万円以上

在留期間

5年、3年、1年または3月

一律で5年(更新可)

活動の範囲

許可された活動に限定

複数の在留資格にまたがる複合的な活動が可能

永住許可の在留歴

原則10年以上

3年(80点以上なら1年)

配偶者の就労

学歴・職歴の要件を満たす必要あり

要件を満たさなくても就労可能

親の帯同

原則不可

世帯年収800万円以上など一定の条件で可

家事使用人

不可

世帯年収1,000万円以上など一定の条件で1名まで可

審査の優先処理

なし

入国事前審査10日、在留審査5日を目途

平均処理日数(認定/変更)

49.8日 / 72.9日

38.7日 / 51.5日

所属機関の変更

届出(転職時)

在留資格変更許可申請が必要

表の最後の行は見落とされがちです。高度専門職は勤務先を変えるたびに在留資格変更許可申請が必要になります。優遇の対価として、手続は重くなると考えてください。

エンジニア採用で実際に使われるのはどちらか——入口は技人国、条件が揃えば1号ロ

実務の答えははっきりしています。エンジニア採用の入口は技人国です。新卒や実務3〜5年の中堅層は、年齢と年収の組み合わせで70点に届かないことが多く、まず技人国で申請するのが現実的です。高度専門職1号ロは、修士以上の学位がある、日本の大学を卒業している、日本語能力試験N1相当を持っている、年収が高い、といった加点材料が重なった人が選べる上位の選択肢だと捉えてください。

在留資格は採用の手段であって目的ではありません。候補者が1号ロを取れるかどうかで採用の可否が決まるわけではなく、まず技人国で通る前提を固め、そのうえで加点材料がある人に1号ロを検討する。この順序で進めれば、判断が止まることはありません。次章では、その加点材料そのものであるポイント計算の中身を見ていきます。

高度人材ポイント制の計算——配点、試算3パターン、70点と80点で変わること

高度人材ポイント制の点数を試算する手元

ポイント計算は、学歴・職歴・年収・年齢・研究実績・資格・特別加算の7系統で構成されています。入管庁のポイント計算表(参考書式)に沿って自己採点でき、申請時には合計が70点以上あることを確認できる資料を提出すれば足ります。該当する項目すべての疎明資料を出す必要はない、という点は実務上ありがたいところです。以下は高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)の配点です。

ポイント配点表(高度専門職1号ロ・高度専門・技術活動)

系統

区分

点数

学歴

博士の学位(専門職学位を除く)

30

学歴

経営管理に関する専門職学位(MBA、MOT)※修士20点に別途5点を加算した合計

25

学歴

修士または専門職学位

20

学歴

大学卒業またはこれと同等以上の教育

10

学歴(加算)

複数の分野における2以上の博士・修士・専門職学位

5

職歴

従事しようとする業務に係る実務経験10年以上

20

職歴

同7年以上10年未満

15

職歴

同5年以上7年未満

10

職歴

同3年以上5年未満

5

年収

1,000万円以上

40

年収

900万円以上1,000万円未満

35

年収

800万円以上900万円未満

30

年収

700万円以上800万円未満(39歳まで)

25

年収

600万円以上700万円未満(34歳まで)

20

年収

500万円以上600万円未満(34歳まで)

15

年収

400万円以上500万円未満(29歳まで)

10

年齢

29歳以下

15

年齢

30〜34歳

10

年齢

35〜39歳

5

研究実績

特許の発明1件以上、論文3本以上などのいずれか

15

資格

業務に関連する日本の国家資格またはIT告示に定める試験・資格を1つ保有

5

資格

同・複数保有

10

特別加算

契約機関がイノベーション促進支援措置を受けている

10

特別加算

上記に該当し、かつ中小企業基本法に規定する中小企業者である

10

特別加算

中小企業者で試験研究費等が売上高の3%超

5

特別加算

業務に関連する外国の資格・表彰等を保有

5

特別加算

日本の大学を卒業または大学院の課程を修了

10

特別加算

日本語専攻で外国の大学を卒業、または日本語能力試験N1合格相当

15

特別加算

日本語能力試験N2合格相当(上記2項目に該当する者を除く)

10

特別加算

成長分野の先端プロジェクトに従事

10

特別加算

世界大学ランキング上位の大学等を卒業

10

特別加算

イノベーティブ・アジア事業のJICA研修(1年以上)を修了

5

特別加算

投資運用業等に係る業務に従事

10

高度専門職1号ロのポイント配点7系統(学歴・職歴・年収・年齢・研究実績・資格・特別加算)と、70点で得られる優遇措置、80点で永住許可の在留歴が1年に短縮されることの対応図

年収の欄に年齢の上限が付いている点に注意してください。たとえば500万円台は34歳までしか加点されません。年齢が上がると年収での加点が得にくくなり、そのぶん学歴・職歴・資格・日本語能力で補う設計になっています。なお年収には基本給のほか勤勉手当・調整手当等が含まれますが、通勤手当・扶養手当・住宅手当といった実費弁償の性格を持つものは含まれません。

エンジニア採用でよくある3パターンの試算

実際の候補者像に当てはめると、点数の感覚がつかめます。いずれも当社が制度資料に基づいて機械的に計算した例で、実際の判定は入管庁が行います。

項目

パターンA(若手)

パターンB(修士・日本の大学院)

パターンC(ベテラン)

年齢

26歳

31歳

35歳

学歴

海外の大学(学士) 10

日本の大学院(修士) 20

海外の大学(学士) 10

職歴

実務3年 5

実務7年 15

実務10年 20

年収

420万円 10

650万円 20

700万円 25

年齢加点

15

10

5

資格

基本情報技術者 5

応用情報技術者 5

日本語・日本の学位

N2相当 10

日本の大学院修了 10+N1相当 15

N2相当 10

合計

55点

90点

75点

判定

70点未満。技人国で申請

80点以上。永住は1年の在留で申請可

70点以上。永住は3年の在留で申請可

パターンAのような若手が、エンジニア採用ではいちばん多い層です。ここで無理に高度専門職を狙うより、技人国で確実に通し、年収が上がった時点で1号ロへの変更を検討するほうが現実的です。逆にパターンBのように日本の大学院を出てN1を持つ人は、加点が重なって80点を超えます。採用する側が知っておくべきなのは、日本語能力と日本の学位が合計25点にもなるという点で、ここが実質的な分かれ目になります。

なお、自社が中小企業基本法に規定する中小企業者で、かつイノベーション促進支援措置(補助金等)の対象になっていれば、企業側の属性だけで20点が加算されます。該当するかどうかは、入管庁が公表している「イノベーション促進支援措置一覧」で確認できます。

70点で得られるもの、80点で変わるもの——在留期間5年、永住3年/1年、家族、優先処理

70点以上で許可される優遇措置は、入管庁の説明では次の7つです。(1)複合的な在留活動の許容、(2)在留期間「5年」の一律付与、(3)在留歴に係る永住許可要件の緩和、(4)配偶者の就労、(5)一定の条件の下での親の帯同、(6)一定の条件の下での家事使用人の帯同、(7)入国・在留手続の優先処理。優先処理は「入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途、在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途」とされています。

80点で変わるのは永住までの年数です。永住許可は原則として引き続き10年以上の在留が必要ですが、高度外国人材としての活動を3年間行っていれば対象となり、80点以上の人は1年で対象になります。採用の現場では、この差が候補者の意思決定を大きく左右します。長く日本で働きたい人にとって、9年の短縮は年収の数十万円より重い条件になり得るからです。

一方で、在留中は常に70点を維持する必要はありません。入国後に年齢ポイントが減ったり年収が下がったりして70点を割っても、直ちに在留できなくなるわけではない、と入管庁は明記しています。ただし在留期間更新許可申請の時点で70点に満たなければ、更新は許可されません。ここは要注意です。

ポイント計算が不要な上位制度: 特別高度人材(J-Skip)と高度専門職2号

2023年4月から、ポイント計算を使わない「特別高度人材制度(J-Skip)」が始まっています。1号ロに相当する類型では、修士号以上かつ年収2,000万円以上、または実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上が要件です。優遇措置は高度人材ポイント制より拡充され、大規模空港のプライオリティレーン使用が加わります。エンジニア採用で年収2,000万円は稀ですが、CTO級の招聘では検討の余地があります。

また「高度専門職2号」は、1号で3年以上(J-Skip該当者は1年以上)活動した人が移行できる在留資格で、在留期間が無期限になり、ほぼ全ての就労資格の活動が行えるようになります。永住許可とは別の、もうひとつの長期の選択肢です。配点、優遇、上位制度の3つを押さえたところで、次は実際の申請手続に進みます。

申請の流れ、審査期間の目安、必要書類、企業側のカテゴリー区分

在留資格認定証明書の申請書類を準備する担当者

在留資格の相談でいちばん多いのは「内定は出したが、いつ入社できるか読めない」という声です。逆算の目安が出せると、社内の採用計画も受け入れ準備も一気に動き出します。ここでは海外から新しく呼ぶ場合を前提に、手続の流れ、公表データに基づく審査期間、企業側のカテゴリー区分、必要書類の順に整理します。

在留資格認定証明書(COE)から入社までの流れと逆算の目安

海外にいる人を日本に呼ぶ場合、手続は3段階です。

  1. 在留資格認定証明書(COE)の交付申請: 受入れ機関(会社)側が、地方出入国在留管理局に申請します。申請人本人は海外にいたままで構いません。この申請でも、申請人以外が書類を提出する場合は身分を証する文書の提示が必要です。
  2. 査証(ビザ)の申請: 交付されたCOEを本国の日本大使館・総領事館に持ち込み、査証を申請します。入管庁は「在留資格認定証明書なしに査証申請することはできません」としており、COEがあれば上陸条件の適合性審査は終わっているため、査証発給と上陸審査がスムーズに進みます。
  3. 入国・上陸審査・在留カードの交付: 入国後は住居地の届出が必要です。

すでに日本にいる人を採用する場合(留学生の新卒採用、他社からの転職など)は、COEではなく在留資格変更許可申請になります。同じ在留資格のまま転職する場合は、原則として所属機関に関する届出で足ります。

逆算は、公表データから積み上げて考えてください。COEの審査は出入国在留管理庁が公表する平均処理日数で、技人国が49.8日、高度専門職1号ロが38.7日です(いずれも令和8年7月許可分・全国平均)。査証は外務省が「申請受理の翌日から起算して5業務日」を標準処理期間としています(在留資格認定証明書の交付を受けずに申請する場合などはさらに時間がかかります)。これに社内の書類準備、渡航と住居の手配が乗ります。入管庁は「例年、4月の就職時期に向けて申請が増加するため、就労資格について審査期間が長期化する傾向にある」と注記しており、4月入社を狙うなら前年の秋から動き出す前提で考えてください。

審査期間の目安(出入国在留管理庁 令和8年7月許可分・全国平均)

入管庁は全国の地方出入国在留管理局における在留審査処理期間の平均日数を、令和6年10月許可分から1か月ごとに公表しています。令和8年7月許可分の数字は次のとおりです。

在留資格

新規取得(COE交付まで)

期間更新(告知まで)

資格変更(告知まで)

技術・人文知識・国際業務

49.8日

40.8日

72.9日

高度専門職(1号ロ)

38.7日

38.8日

51.5日

高度専門職(1号イ)

41.1日

63.3日

38.8日

高度専門職(2号)

90.7日

企業内転勤

37.8日

39.6日

13.0日

永住者

310.2日

この数字は許可された案件の全国平均で、不許可・取下げは含まれません。また東京や大阪など大都市の入管では長引くことがあります。数字の読み方として押さえておきたいのは2点です。1つ目は、高度専門職1号ロのほうが技人国より短いこと。優先処理の効果が実データにも出ています。2つ目は、同じ在留資格でも「資格変更」は「新規取得」より長くかかる場合があること。技人国は変更が72.9日で、新規の49.8日より3週間ほど長い計算になります。日本にいる人を採用するほうが早い、とは限らないわけです。

企業側のカテゴリー1〜4——所属機関の区分で提出書類が変わる

技人国の申請では、受入れ企業が4つのカテゴリーに区分され、提出書類の量が変わります。ここは採用側の負担に直結する部分です。

区分

該当する機関

提出書類の量

カテゴリー1

上場企業、保険業の相互会社、国・地方公共団体、独立行政法人、公益法人、イノベーション創出企業など

カテゴリーの証明+共通書類のみ。その他の資料は原則不要

カテゴリー2

前年分の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人、または在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関

カテゴリー1と同様に軽い

カテゴリー3

前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出した団体・個人(カテゴリー2を除く)

労働条件通知書、履歴書、卒業証明書、登記事項証明書、事業内容の案内書、決算文書、代表者に関する申告書など

カテゴリー4

上記のいずれにも該当しない団体・個人(新設会社など)

カテゴリー3の書類+法定調書合計表を提出できない理由の疎明資料

該当を証明する書類が出せない場合はカテゴリー4として扱われます。設立間もない会社や小規模な企業はカテゴリー3または4になることが多く、事業の継続性・安定性を示す決算文書や事業計画書まで求められます。ここで「自社は不利なのでは」と不安になる方がいますが、カテゴリーは提出書類の量を決めるものであって、許可・不許可を決めるものではありません。準備の重さが変わるだけです。

なお、カテゴリー2の枠には「在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関」が含まれます。継続的に外国人を採用する予定があるなら、先にオンラインシステムの利用申出を済ませておくと、以後の申請が軽くなります。

必要書類の全体像(共通・技人国・高度専門職の上乗せ)

COE交付申請の必要書類は、大きく3層で捉えると整理しやすくなります。

  • 共通: 在留資格認定証明書交付申請書、写真1葉、返信用封筒、カテゴリー該当を証明する文書
  • 技人国の層: 労働条件を明示する文書(労働条件通知書または雇用契約書)、履歴書、卒業証明書または実務経験の在職証明書、IT技術者は情報処理技術の試験の合格証書・資格証書、登記事項証明書、事業内容の案内書、決算文書または事業計画書(カテゴリー3・4)
  • 高度専門職の上乗せ: ポイント計算表(参考書式)と、各項目に関する疎明資料

高度専門職1号ロで技人国の活動を行う場合、申請書は様式「N」を使い、技人国の提出書類に加えてポイント計算表を出す、という組み立てになります。日本で発行される証明書はすべて発行日から3か月以内のもの、外国語の書類には日本語訳の添付が必要です。書類が揃っていない申請は「大幅に審査が遅れる、または不利益処分となり得る」と入管庁が明記している点も覚えておいてください。

ちなみに、当社が提供しているラボ型開発では、打ち合わせからアサインが約1週間、候補者面談が約1週間、契約は日本国内法人との日本法準拠で、最短2週間で稼働が始まります。在留資格の手続がないぶん、着手までの時間の桁が違う。これは優劣ではなく、選択肢の性質の違いです。急ぐ案件ほど、この差が効いてきます。

落ちやすい3つのポイント——職務内容と学歴・実務経験の関連性、契約内容、報酬の同等性

労働条件通知書と報酬の同等性を確認する場面

不許可になる理由は、意外なほど絞られています。制度が複雑に見えるのは書類の種類が多いからで、審査で実際に問われているのは「この人の学んだこと・やってきたことと、これからやる仕事がつながっているか」「その条件で本当に雇うのか」「日本人と同じ水準の報酬か」という3点です。入管庁も「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について、という資料で許可・不許可の事例を公表しています。以下は、採用側が内定前に確認できる形に整理したものです。

落ちやすいポイントの一覧表(何が問われるか・準備の仕方)

No

落ちやすいポイント

何が問われるか

準備の仕方

1

職務内容と学歴・実務経験の関連性

卒業した学部・専攻、または実務経験の内容が、これから従事する業務と結びついているか。IT技術者はIT告示の試験・資格でも代替できる

履歴書に「従事した機関・業務内容・期間」を明示する。卒業証明書だけでなく成績証明書で専攻科目を示す。在職証明書は業務内容が読み取れる粒度で書いてもらう

2

業務内容が単純作業に寄っていないか

技人国は「技術若しくは知識を要する業務」が前提。現場研修の名目で長期間、定型作業だけを担当させる計画は疑義を持たれる

職務記述書を作り、設計・実装・レビューなど専門性が必要な作業の比率を示す。実務研修を挟む場合は期間と位置づけを説明する

3

契約内容(労働条件通知書)の書きぶり

契約の有無、業務内容、勤務地、期間、報酬が明確か。申請書の記載と食い違っていないか

労働条件通知書の業務内容欄を、申請書・職務記述書と同じ言葉で書く。派遣形態なら派遣先の情報と誓約書、個別契約書が別途必要

4

報酬が日本人と同等額以上か

日本人が同じ業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上であることが上陸許可基準

社内の同等職位の賃金テーブルと並べて説明できる状態にする。高度専門職1号ロを狙うなら年収300万円以上という下限も別途満たす

5

受入れ企業の事業の継続性・安定性

事業内容、決算の状況、その人を雇う必要性が説明できるか(カテゴリー3・4で特に問われる)

事業内容の案内書と直近の決算文書を用意する。新規事業なら事業計画書で人員計画まで書く

6

書類の不足・不整合

揃っていない申請は「大幅に審査が遅れる、または不利益処分となり得る」と入管庁が明記

入管庁が公開している提出書類チェックシートを使って抜けを潰す。日本で発行される証明書は発行日から3か月以内のものに揃える

私の経験では、6番の書類不足でつまずく会社がいちばん多いのが実情です。制度の解釈で落ちるより、証明書の有効期限切れや訳文の未添付といった単純な理由で時間を失うほうが、はるかに多い。

2026年4月15日以降の追加書類——代表者に関する申告書とCEFR B2相当の言語能力

2026年4月15日以降の申請から、技人国のカテゴリー3または4に該当する場合、次の書類の追加提出が必要になりました。

  • 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式)
  • 主に言語能力を用いて対人業務等に従事する場合: 業務上使用する言語について、CEFR・B2相当の言語能力を有することを証する資料

2つ目は、翻訳・通訳やホテルフロントなどの接客業務が主となる場合に求められるものです。日本語については、JLPT・N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上、中長期在留者として20年以上の在留、日本の大学卒業(または高等専門学校・専修学校の専門課程・専攻科の修了)、日本の義務教育を修了し高等学校を卒業、のいずれかに該当すればCEFR・B2相当とみなされます。エンジニアの採用でも、ブリッジSEのように通訳・翻訳が業務の中心になる職務を想定しているなら、この要件が視野に入ります。設計・実装が主であれば原則として対象外ですが、職務記述書の書きぶり次第で判断が変わる余地があるため、業務の中身を正確に書くことが結局いちばん安全です。

採用側が内定前にやっておくこと4つ

不許可は、出してから慌てても取り返せません。内定を出す前の段階で、次の4つを済ませておくことをお勧めします。

  1. 候補者の学歴・職歴と職務内容の突き合わせ: 面接の段階で卒業証明書・成績証明書・在職証明書を取り寄せ、専攻科目と業務の関連を1行で説明できるか確かめる。IT告示の資格があればそこも確認する
  2. 職務記述書を先に書く: 労働条件通知書、申請書、職務記述書の3つで業務内容の記述を揃えておく。ここがずれていると審査で必ず質問が来る
  3. 自社のカテゴリーの確定: 法定調書合計表の提出状況を経理に確認し、カテゴリー1〜4のどれに当たるかを先に決める。カテゴリー3・4なら決算文書と事業内容の案内書を先に整える
  4. 専門家に相談するかを決める: 行政書士に委託する場合の報酬は事務所ごとに異なるため、複数の事務所から見積もりを取って比べてください。初回の1〜2件は委託して型を学び、3件目から内製に切り替える進め方が、結果的に早いことが多い

当社は入管手続の代行を行っていないため、在留資格の申請そのものは行政書士など専門家への相談をお勧めしています。そのうえで一度立ち止まって考えてほしいのは、次の問いです。そもそも、その人を日本に呼ぶ必要が本当にあるのでしょうか。

呼ぶ・現地で雇う・委託する——3つの選択肢を同じ机に並べて比べる

TALENTBASE VIETNAMの日本人PMとベトナム人エンジニアのチーム

ここまで在留資格の話をしてきましたが、在留資格が必要になるのは「日本に呼ぶ」という選択肢を取ったときだけです。海外のエンジニアに働いてもらう方法は3つあり、残りの2つ——現地で雇う(雇用代行・EOR)、開発そのものを委託する(ラボ型)——には入管手続がありません。この3つを同じ机に並べて比べたことがない、という会社が多いのが実情です。まず並べてから、案件の性質で選んでください。

3択の比較表(在留資格の要否・着手までの期間・費用の目安・向く案件)

費用は実務3年目安のエンジニア1名を1年間確保する場合の概算です。1USD=150円換算目安で計算し、前提は表の下に書きます。

項目

1. 日本に呼ぶ(直接雇用)

2. 現地で雇う(雇用代行・EOR)

3. 開発を委託する(ラボ型)

在留資格の手続

必要(技人国または高度専門職1号ロ)

不要

不要

契約の相手

本人(雇用契約)

EOR事業者(本人は現地で雇用される)

開発会社(準委任)

着手までの期間

内定承諾後、COEの審査だけで平均49.8日(技人国・令和8年7月許可分)。これに査証と渡航の手配が加わる

数週間〜1か月

最短2週間(当社の場合)

初年度の費用目安

約560万円(人材紹介手数料を除く)

約360万〜450万円

約270万円〜

指揮命令

自社が直接行う

自社が実務を指示(雇用主はEOR事業者)

開発会社のPM経由。自社は優先順位を決める

労務・税務の責任

自社

EOR事業者が現地法令に沿って負う

開発会社

ノウハウの蓄積先

自社(社員として残る)

自社(本人が自社チームの一員)

開発会社のチーム(継続すれば自社の業務知識も蓄積)

離職時の影響

採用からやり直し

再採用をEOR事業者と進める

交代を開発会社に依頼(当社は1か月単位)

向く案件

長期の中核人材、社内に文化として残したい人

現地に拠点を作る前段階、特定の個人を指名して雇いたい

開発リソースを機動的に増減したい、要件が動く継続開発

向かない案件

急ぎの増員、試してから決めたい場合

1〜2か月だけの短期

要件が確定した単発・短期の開発

案件の条件から日本に呼ぶ(直接雇用)・現地で雇う(雇用代行EOR)・開発を委託する(ラボ型)を選ぶ判断フローと、在留資格の要否・着手までの期間・初年度費用の比較

前提: 1は年収450万円+社会保険の企業負担約15%(約68万円)+渡航・初期費用(厚生労働省「令和7年外国人雇用実態調査」では入国までにかかった費用総額は「20万円以上40万円未満」が21.1%で最多、「40万円以上60万円未満」18.7%、「20万円未満」17.6%。2026年9月21日確認)。2は月額1,500USD×12か月=18,000USDに現地の雇用主負担の法定費用約21.5%とEOR手数料(各社が公式サイトで公開している月199〜699USD。2026年9月21日確認)を加算。3は当社の公開単価、実務3年目安の1,500USD(約22.5万円・1USD=150円換算の目安)×12か月。なお1で人材紹介会社を使う場合は別途手数料が加算されますが、手数料率には一次統計がないため金額には含めていません。いずれも体制・スキルスタック・為替により変動します。

それぞれが向く場面と、向かない場面

「1. 日本に呼ぶ」が向くのは、社内の中核として長く働いてもらいたい人、顧客先に出る必要がある人、日本語での折衝が業務の中心になる人です。社員として組織に残り、文化を共有できる点は他の2つでは代替できません。向かないのは、急ぎの増員と「試してから決めたい」場合です。COEの審査だけで平均50日前後かかるうえ、不許可のリスクを採用側が負います。

「2. 現地で雇う」が向くのは、現地に法人を作る前に特定の個人を指名して雇いたい場合や、将来の現地拠点の中核候補を先に押さえたい場合です。向かないのは1〜2か月だけの短期で、EOR事業者との契約・現地の労務手続のぶん、短すぎると割に合いません。

「3. 開発を委託する」が向くのは、要件が動く継続開発と、リソースを機動的に増減したい場合です。向かないのは、要件が確定した単発・短期の開発で、この場合は請負契約のほうが適しています。当社でも、要件が固まりきったスポットの開発では「ラボ型は合いません」と率直にお伝えしています。

なお、外国人エンジニアの採用そのものの費用構造や進め方は「外国人エンジニア 採用」の記事、雇用代行の仕組みは「EORとは」の記事で詳しく整理しています。

当社の位置づけ——日本に呼ばずにベトナムのチームを使う、または雇用を代行する

当社 TALENTBASE VIETNAM が提供しているのは、上の表の2と3です。ホーチミンを拠点に、日本語N1〜N2相当を含む2,000名以上のIT人財データベースから直接アサインし、協力会社や紹介を経由しないため仲介マージンが乗りません。公開単価は実務3年目安で1,500USD(約22.5万円)、5年で2,000USD、10年目安・ブリッジSEで3,000USD。日本人PMをフロントに置く最小構成なら、2〜3人月で月額約80万円からです。契約・支払いは日本国内法人との日本法準拠で、海外送金は不要。時差は2時間で、日本の午前中から同じ時間帯で動けます。

体制は2パターンあり、日本人PM/ブリッジSEを置くパターンA(推奨)と、エンジニアのみのパターンBです。1名から契約でき、最短2週間で開始、増員は約1週間、縮小と交代は1か月単位。品質は日本人PMの設計レビュー、Gitのプルリクエストによるコードレビューの標準化、リリース前のダブルチェックの3点で担保しています。介護記録SaaS「CareViewer」では、日本語ブリッジSE1名とフルスタック2名の体制で、週次の優先順位判断を回しながら継続開発を進めています。

その一方で、正直に線を引いておきます。日本の顧客先に常駐する必要がある業務、日本の資格が要る業務、そして「社員として組織に残ってほしい」という採用は、当社のラボ型では代替できません。その場合は日本に呼ぶ——つまり技人国または高度専門職1号ロの手続を進めるのが正解です。当社は入管手続の代行を行っていないため、行政書士など専門家をご紹介できる範囲でお手伝いします。

高度人材ビザとエンジニア採用でよくある質問

高度人材ビザとエンジニア採用の質問に答える担当者

在留資格の相談の場で繰り返し聞かれる質問を5つにまとめました。いずれも2026年9月時点の一般的な整理で、個別の判断は行政書士など専門家にご確認ください。

Q1. 技人国で入国した後、高度専門職1号ロに変更できますか?

できます。在留資格変更許可申請を行い、ポイント計算表と疎明資料を提出します。昇給や資格取得、日本語能力の向上で70点に届いたタイミングで検討するのが現実的です。入管庁が公表した令和8年7月許可分の平均処理日数では、高度専門職1号ロへの資格変更は51.5日でした。

Q2. ポイントが70点に届かない候補者は採用できませんか?

採用できます。高度専門職は上位の選択肢であって、必須ではありません。技人国の要件(業務に関連する学歴または10年以上の実務経験、IT告示の資格、日本人と同等額以上の報酬)を満たせば就労できます。70点に届かない若手は、まず技人国で入国し、後から変更を検討する流れが一般的です。

Q3. 高度専門職の人が転職したらどうなりますか?

高度専門職は、所属機関を変更する場合も在留資格変更許可申請が必要です。技人国が原則として届出で足りるのと比べると、手続が重くなります。転職の多い職種では、この点を候補者に事前に説明しておくと後のトラブルを防げます。

Q4. 更新のときにポイントが70点を下回っていたら、どうなりますか?

在留中は常に70点を維持する必要はないと入管庁が明記しています。ただし在留期間更新許可申請の時点で70点に満たない場合、更新は許可されません。年齢による加点が減る30歳・35歳・40歳の節目の前に、年収や資格で補えるかを確認しておくのが安全です。

Q5. 日本語ができないエンジニアは、そもそも採用できませんか?

日本語能力は技人国の必須要件ではなく、高度専門職ではN1相当で15点、N2相当で10点の加点項目です。ただし2026年4月15日以降、主に言語能力を用いて対人業務に従事する場合はCEFR・B2相当の疎明資料が必要になりました。設計・実装が中心なら日本語要件は問題になりにくい一方、現場での意思疎通は別の課題として残ります。その解として、日本語で話せるブリッジSEをフロントに置く体制を選ぶという手。

まとめ: 入口は技人国、条件が揃えば高度専門職1号ロ——そして「呼ぶ」は3つの選択肢のひとつ

「高度人材ビザ」の正式名称は「高度専門職」で、エンジニアが該当するのは1号ロです。ただし、エンジニア採用で実際に使われる入口は「技術・人文知識・国際業務」(技人国)です。1号ロは技人国の土台のうえに、ポイント計算70点以上と年収300万円以上という条件が揃った人だけが選べる上位の選択肢で、在留期間が一律5年、永住許可の在留歴が3年(80点以上なら1年)に短縮され、入国事前審査10日・在留審査5日を目途とする優先処理が受けられます。その対価として、所属機関を変えるたびに在留資格変更許可申請が必要になります。

申請は在留資格認定証明書の交付申請から始まります。出入国在留管理庁が公表した令和8年7月許可分の全国平均では、技人国の新規取得が49.8日、高度専門職1号ロが38.7日でした。提出書類は企業側のカテゴリー1〜4で変わり、カテゴリー3・4は2026年4月15日以降、代表者に関する申告書などの追加提出が必要です。落ちやすいのは、職務内容と学歴・実務経験の関連性、契約内容の書きぶり、そして日本人と同等額以上の報酬という3点。内定を出す前に、卒業証明書・在職証明書・職務記述書・自社のカテゴリーを揃えておけば、大半のつまずきは避けられます。なお本記事の制度の記述は2026年9月時点の公表資料に基づく一般的な整理であり、法的助言ではありません。制度は変更があり得るため、申請前に出入国在留管理庁の最新情報を確認し、個別の判断は行政書士など専門家にご相談ください。

そのうえで、もう一度立ち止まってほしいことがあります。在留資格が必要なのは「日本に呼ぶ」を選んだときだけで、現地で雇う(雇用代行)、開発を委託する(ラボ型)という選択肢には入管手続がありません。着手までの期間は、日本に呼ぶ場合はCOEの審査だけで平均50日前後かかるのに対して数週間、初年度の費用目安も約560万円(人材紹介手数料を除く)に対して約360万〜450万円、約270万円〜と差が開きます。一方で、社員として組織に残ってほしい人、日本語での折衝が中心の人は、呼ぶ以外に代替がありません。採用の進め方は外国人エンジニアの採用、雇用代行の仕組みはEOR(雇用代行)とはもあわせてご覧ください。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、呼ぶ・現地で雇う・委託するのどれが合うかの判断と概算見積もりでお答えします。合わない案件にはその旨も率直にお伝えします。

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