外国人エンジニアの採用チャネル6つと人材紹介の使い方【2026年版】成功報酬の相場・返金規定・選び方

2026.09.14|ノウハウ|文: 中元 亨

「外国人エンジニアを採るなら、人材紹介に頼むのが正解なのか」——採用計画を立て直している方から、こうした問いをよく受けます。検索すれば「おすすめ21社」のような比較記事はいくらでも出てきますが、どれも広告に見える。成功報酬で100万円以上を払って、3か月で辞められたらどうするのか。そもそも紹介会社に払う前に、ほかの手はないのか。判断の物差しがないまま、見積もりだけが集まっている状態ではないでしょうか。

結論から言うと、外国人エンジニアの採用チャネルは6つあります。人材紹介(エージェント)、求人媒体、ダイレクトリクルーティング、送り出し機関・海外大学との提携、リファラル、そしてオフショア開発や雇用代行です。このうち人材紹介の価値は、日本で働く意思があり在留資格の要件を満たす候補者に短期間で会えることにあります。入社時に支払う成功報酬は、その母集団と実務代行に対する対価です。

紹介会社を料率で選ぶと、たいてい総額は下がりません。在留資格の申請を誰がやるのか、入社後3か月のフォローが手数料に含まれるのか、返金規定はどの退職事由まで対象なのか。この3つを詰めるほうが、5%の値引き交渉よりはるかに効きます。そして目的が「開発を前に進めること」なら、人を採らずに解く手もあります。

本記事では、採用チャネル6つの比較、人材紹介の費用構造と返金規定、紹介会社の選び方5つと相談時の8つの質問、人材紹介・雇用代行・開発委託の3択と「採用しない」という選択肢、よくある質問の順に解説します。手数料の法的な枠組みは職業安定法と厚生労働省の告示まで遡って整理しました。

私は人材業界の出身です。日系の人材紹介会社に新卒で入ってベトナムに駐在し、2019年にホーチミンで人材紹介会社を創業しました。紹介する側にいたので、料率の内訳も、返金規定が実際にどう運用されるかも見てきました。現在はベトナムでオフショア開発の体制づくりに携わり、約100社の相談に乗っています。この記事を読み終えるころには、自社がどのチャネルを使い、紹介会社に何を聞けばよいかが決まっているはずです。

目次
  1. 外国人エンジニアの採用チャネルは6つ
  2. 採用チャネル6つの比較表(母集団・立ち上がり・費用構造・手続きの負担)
  3. 費用が「いつ出るか」で3つに分かれる
  4. 1本に絞るより2本の併用が実情
  5. チャネルより先に決めること
  6. 人材紹介(エージェント)の費用構造と返金規定
  7. 成功報酬の相場と、職業安定法が決めている枠組み
  8. 返金規定(返戻金)で契約前に確認する5点
  9. 「手数料0円」は要注意
  10. 紹介する側にいたから言えること
  11. 人材紹介会社の選び方5つと、相談時に聞く8つの質問
  12. 選び方5つ(対応国と言語、在留資格の実務知識、定着支援、紹介実績の職種、返金とフォロー)
  13. 有料職業紹介の許可番号と手数料表の明示を確認する
  14. 相談時に聞く8つの質問(全社に同じ質問を投げる)
  15. 人材紹介・雇用代行(EOR)・開発委託(ラボ型)の3択と、「採用しない」という選択肢
  16. 3つの選択肢の比較表(立ち上がり・費用の出方・在留資格の要否・人財の帰属)
  17. 目的が「人を抱える」か「開発を進める」かで、選択はほぼ決まる
  18. 当社の位置づけと、向く案件・向かない案件
  19. 外国人エンジニアの人材紹介でよくある質問
  20. Q1. 紹介手数料の相場はいくらですか?
  21. Q2. 紹介会社は何社に依頼すべきですか?
  22. Q3. 「手数料0円」の会社を使っても大丈夫ですか?
  23. Q4. 在留資格の手続きは紹介会社に任せられますか?
  24. Q5. 採用が決まるまでの数か月、開発はどうすればよいですか?
  25. まとめ: チャネルを6つ並べ、人材紹介は料率ではなく業務範囲で選ぶ

外国人エンジニアの採用チャネルは6つ——人材紹介、求人媒体、ダイレクトリクルーティング、送り出し機関・海外大学、リファラル、オフショア/EOR

外国人エンジニアの採用チャネル6つを比較する会議

国内のIT人材は2030年に最大79万人不足すると試算され(経済産業省「IT人材需給に関する調査」)、母集団を日本人だけに置く前提はすでに崩れています。一方で、外国人エンジニアをどう採るかとなると、選択肢は人材紹介だけではありません。実際に使われているチャネルは6つあり、母集団の広さも、動き出してから入社までの速さも、費用がいつ出るかも違います。まずは6つを同じ表に並べて、自社の条件に合うものを絞り込んでください。

採用チャネル6つの比較表(母集団・立ち上がり・費用構造・手続きの負担)

No

チャネル

母集団

立ち上がりの目安

費用の出方

自社に残る手続き

1

人材紹介(エージェント)

紹介会社の登録者データベース。外国人特化の事業者は数万人規模を持つ

依頼から候補者提示まで数週間。入社は在留資格の審査を含むため数か月

成功報酬。入社時に理論年収に対する一定料率を支払う(料率は事業者ごとに異なる)

小さい。在留資格の書類作成まで支援する会社が多い(範囲は要確認)

2

求人媒体(外国人向け求人サイト)

媒体の登録ユーザー。数十万人規模のメディアもある

掲載開始は数日。応募対応は自社

掲載課金または成果課金。採用ゼロでも掲載費は戻らない

大きい。選考も在留資格も自社または行政書士

3

ダイレクトリクルーティング

転職潜在層まで届く。LinkedInなどで国外にも接触できる

返信率次第。スカウト設計に数か月かかることもある

月額または成果課金。担当者の工数が主コスト

大きい。口説く工程も自社

4

送り出し機関・海外大学との提携

現地の新卒・第二新卒。日本就職を志望する層

提携の立ち上げに半年以上。以後は毎年の母集団になる

事業者により固定料金または成功報酬

中〜大。渡航・住居・生活支援が加わる

5

リファラル(社員紹介)

在籍する外国籍社員の知人。狭いが確度は高い

紹介が出れば早い。出るかどうかは読めない

社内インセンティブのみで低コスト

中。在留資格は自社または行政書士

6

オフショア開発・雇用代行(EOR)

現地の就労中エンジニア。日本に来る意思は不要

最短2週間〜1か月

月額。採用費という一時費用は発生しない

小さい。在留資格そのものが不要

外国人エンジニアの採用チャネル6つを費用の出方(成功報酬型・先払い型・月額型)で分類したマップ——人材紹介、求人媒体、ダイレクトリクルーティング、送り出し機関・海外大学、リファラル、オフショア開発・雇用代行

表の1〜5が「日本で雇う」ための手段、6が「雇わずに、または日本に呼ばずに戦力を得る」手段です。6を採用チャネルの表に入れることに違和感を持つ方もいますが、人事の予算と開発の予算を横に並べて比べる企業が増えているのが実情です。

費用が「いつ出るか」で3つに分かれる——成功報酬型、先払い型、月額型

6つのチャネルは、費用の出方で3種類に整理できます。成功報酬型は人材紹介で、入社が決まるまで費用が発生しません。採用に至らなければゼロで済むため、予算のリスクは小さい。ただし1名決まった瞬間に、理論年収に料率を掛けた金額がまとまって一度に出ます。

先払い型は求人媒体とダイレクトリクルーティングです。掲載費やツール利用料が先に出て、採用できなくても戻りません。母集団を自社に蓄積できる代わりに、応募対応と口説く工数が丸ごと社内に残ります。年間を通じて継続採用する企業なら1人あたりの単価は下がりますが、年に1〜2名の採用でこの型を選ぶと割高になります。

月額型はオフショア開発と雇用代行です。一時金がない代わりに、使っている間ずっと費用が出ます。逆に言えば、止めれば止まる。この違いは、採用が計画どおりに進まなかったときの撤退しやすさに直結します。

1本に絞るより2本の併用が実情——媒体で母集団、紹介で確度を取る

チャネルを1本に絞ろうとする相談をよく受けますが、うまくいっている企業はたいてい2本を併用しています。典型は、求人媒体や自社採用サイトで母集団と自社の露出を作りつつ、期限のあるポジションだけ人材紹介に出す形です。媒体は安いが確度が読めず、紹介は高いが確度が読める。性質が逆のものを組み合わせるほうが、計画が崩れにくくなります。

逆に、同じ性質のチャネルを並べても効果は薄い。紹介会社を5社に増やしても、各社が見ている登録者層が重なっていれば、同じ候補者が別の会社から出てくるだけです。増やすなら、対応国や得意職種が重ならない会社を選んでください。

チャネルより先に決めること——要件が決まっていない求人は、どのチャネルでも動かない

私は日系の人材紹介会社に新卒で入り、2019年にホーチミンで人材紹介会社を創業して、日系企業約100社と契約してきました。紹介する側にいて痛感したのは、求人票の中身が決まっていない案件は、どの紹介会社に出しても動かないということです。「日本語ができて、モダンな技術が分かる若手」といった依頼は、担当コンサルタントが誰を探せばよいか判断できません。

先に決めるべきは4つです。担当してもらう業務、必須スキルと歓迎スキルの線引き、日本語要件(業務で日本語を使う場面があるか、英語で回せるか)、そして提示できる報酬レンジです。在留資格「技術・人文知識・国際業務」では日本人と同等額以上の報酬が要件とされているため、報酬レンジを曖昧にしたまま募集をかけるのは失敗のもとです。この4つが書けていれば、次章の費用の話が意味を持ってきます。

人材紹介(エージェント)の費用構造と返金規定——成功報酬は何の対価か

人材紹介の成功報酬と返金規定を確認する担当者

人材紹介の見積もりを取ると、「理論年収の◯%」という一行だけが書かれていることがあります。この数字が何に対する対価で、法的にどこまで許されていて、採用した人が早期に辞めたときにどうなるのか。ここを理解しないまま契約すると、後から「思っていたサービスが含まれていなかった」という話になります。費用の構造を分解して見ていきます。

成功報酬の相場と、職業安定法が決めている枠組み

日本の中途採用では、成功報酬は理論年収に対する料率で決まるのが一般的です。理論年収とは、基本給に加えて残業代・各種手当(通勤費は除く)・賞与などを年額に換算した想定額です。ただし、料率の水準や金額の相場を示した公的統計も業界団体の一次調査も確認できなかったため、本稿では具体的な料率や金額を示しません。外国人材の場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」や高度専門職の人材は成功報酬型が主流で、特定技能は1名あたりの固定料金型が中心と、料金体系そのものが違います。見積もりを取るときは、料率の数字そのものより、その料率にどの業務までが含まれるかを確認してください。

法的な枠組みも押さえておいてください。有料職業紹介事業者が徴収できる手数料には2つの方式があります。1つは届出制手数料で、あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表に基づいて徴収する方式です。届け出た手数料表の範囲で手数料を設定でき、「理論年収の◯%」という料率はこの方式にあたります。もう1つは上限制手数料で、厚生労働省の告示により、紹介手数料の最高額は支払われた賃金額の11.0%(免税事業者は10.3%)と定められています。同じ人が6か月を超えて雇用された場合は、6か月間の賃金に対する11.0%が上限です。

そしてもう1つ重要なのが、求職者から手数料を徴収することが原則として禁止されている点です。例外は芸能家や家政婦など極めて限定的な職種に限られます。つまり、外国人エンジニアの採用にかかる紹介費用は企業側が負担する建て付けになっています。なお、ここに書いたのは一般的な整理であり、法的助言ではありません。個別の契約は厚生労働省の職業紹介事業パンフレットと、社会保険労務士・弁護士への確認をおすすめします。

返金規定(返戻金)で契約前に確認する5点

採用した人が早期に退職したときの備えが、返金規定(返戻金制度)です。保証期間の長さ、返金率、対象となる退職事由は事業者ごとに大きく異なり、業界共通の水準を示した公的統計も一次調査も確認できませんでした。だからこそ、条件は自社で1件ずつ確認するしかありません。

ただし、返金規定があれば損をしないというのは誤解です。契約前に次の5点を確認してください。第一に、返金の対象となる退職事由の範囲です。自己都合退職は対象でも、解雇や部署統廃合といった企業都合は対象外とする会社が多いのが実情です。第二に、返金か再紹介かの選択権がどちらにあるか。第三に、返金申請の期限です。退職後に速やかに書面で申請しないと受けられない契約があります。第四に、在留資格の変更や更新が不許可になった場合の扱い。第五に、保証期間の起算日が内定日なのか入社日なのかです。

「手数料0円」は要注意——求職者本人から徴収していないかを確かめる

紹介手数料が無料、あるいは極端に安いことをうたう事業者を見かけます。企業側の負担がゼロなら、その費用は誰かが払っているはずです。確かめるべきは、外国人材本人が費用を負担していないかどうかです。職業安定法は求職者からの手数料徴収を原則として禁じており、本人負担が生じているとすれば、その事業者の手数料の設計を確認する必要があります。借金を抱えて入社した人は、より条件のよい職場が見つかればすぐに移ります。早期離職の確率が上がるだけでなく、企業側が労働環境の問題として見られるリスクも負います。

見極めのポイントは4つです。外国人材本人への手数料請求の有無を明示しているか、厚生労働大臣の有料職業紹介事業の許可番号を持っているか、送り出し国との正規の枠組みに基づいて運営しているか、会社の所在地と代表者情報が明示されているか。安さの理由が説明できない見積もりは、要注意です。

紹介する側にいたから言えること——料率の交渉より、含まれる業務範囲を詰める

私は紹介手数料をもらう側で日系企業約100社と向き合ってきましたが、値引き交渉に時間をかける企業ほど、総額が下がっていませんでした。料率を35%から30%に下げても、年収400万円なら差は20万円です。それより効くのは、手数料に何が含まれるかを詰めることです。在留資格認定証明書の申請書類の作成を支援してもらえるのか、行政書士費用は別途か、入社前後の通訳同席はあるのか、入社後3か月のフォロー面談は含まれるのか。

このあたりを別料金で積み上げられると、20万円の値引きは簡単に吹き飛びます。逆に、業務範囲を先に固定してから相見積もりを取れば、各社の提示額が同じ土俵に乗り、料率の差が意味を持ちます。手数料は「価格」ではなく「何をどこまでやってもらうか」の結果だと考えると、比較の順番が変わってきます。次章では、その比較を実際に回すためのチェックポイントと質問を整理します。

人材紹介会社の選び方5つと、相談時に聞く8つの質問

外国人エンジニアの人材紹介会社を選び方のチェックポイントで比較する場面

検索して出てくる「外国人人材紹介おすすめ21社」のような記事は、掲載自体が広告であることが少なくありません。会社名を覚えるより、自社の物差しを先に作るほうが確実です。ここでは、外国人エンジニアを採るという前提で効く5つのチェックポイントと、全社に同じ形で投げられる8つの質問を用意しました。そのまま稟議資料の比較表に転記できる粒度にしています。

選び方5つ(対応国と言語、在留資格の実務知識、定着支援、紹介実績の職種、返金とフォロー)

No

チェックポイント

何を見るか

確認できないときのリスク

1

対応国と言語

得意な国籍(ベトナム・インドネシア・ミャンマー・インドなど)、日本語N1〜N3の在籍比率、英語での選考に対応できるか

自社が求める言語要件の候補者が母集団にいない

2

在留資格の実務知識

技術・人文知識・国際業務の該当性を判断できるか、行政書士との連携があるか、費用に含まれるか

内定後に在留資格が下りず、採用がやり直しになる

3

来日後の定着支援

住居・銀行口座・携帯契約の支援、入社後の面談頻度、通訳の同席

入社3か月以内の離職が増え、手数料が実質的に無駄になる

4

紹介実績の職種

エンジニア職の紹介実績と技術領域(Web・インフラ・AIなど)、直近の決定数

介護・製造が主力の会社にエンジニアを依頼し、提示が止まる

5

返金規定とフォロー

保証期間、返金率、対象となる退職事由、再紹介の可否と選択権

早期離職時に費用が戻らない

5つのうち、最初に落とすべきは4番です。外国人人材紹介の事業者は介護・製造・外食・宿泊を主戦場にしている会社が多く、エンジニア職の紹介実績がほとんどない会社に依頼しても、候補者の提示が続きません。「直近1年でエンジニア職を何名決定したか」という一問で、かなり絞れます。

有料職業紹介の許可番号と手数料表の明示を確認する——登録型とサーチ型の違いも聞く

有料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要で、許可番号は「13-ユ-◯◯◯◯◯◯」の形式です。会社サイトのフッターや会社概要に記載があるかを見てください。記載がない場合は必ず確認します。あわせて、手数料の種類・金額・返還規定を書面で明示することは紹介事業者の義務ですから、契約前に手数料表の提示を求めて構いません。求めにくい話ではなく、当然の手続きです。

サービスの型も聞いておきます。ウィルオブの整理では、人材紹介は自社データベースの登録者から紹介する「一般紹介・登録型」と、他社データベースやSNSまで使って探す「サーチ型」に分かれます。登録型は提示が速い代わりに母集団が固定され、サーチ型は時間がかかる代わりに希少な技術領域に届きます。AIやブロックチェーンのように国内で採りにくい領域なら、サーチ型に対応できるかが分かれ目になります。

相談時に聞く8つの質問(全社に同じ質問を投げる)

比較を成立させる条件は、全社に同じ質問を同じ順番で投げることです。私が企業側の立場なら、次の8つを最初の打ち合わせで聞きます。

  1. 直近1年で、エンジニア職を何名決定しましたか。技術領域の内訳は
  2. 想定している候補者の国籍と日本語レベルの分布は。英語だけで働ける人財の比率は
  3. 在留資格の申請書類はどこまで支援されますか。行政書士費用は手数料に含まれますか
  4. 求人票の作成や技術要件の翻訳は支援されますか。面接に通訳は同席しますか
  5. 内定から入社までの平均日数は。在留資格の審査期間を含めた実績値で教えてください
  6. 保証期間・返金率・対象となる退職事由・申請期限を、書面でいただけますか
  7. 入社後のフォロー(面談の頻度、生活支援の範囲)は手数料に含まれますか
  8. 貴社の手数料表と、有料職業紹介事業の許可番号を教えてください

この8問に淀みなく答えられる会社は、外国人エンジニアの紹介を日常的にやっています。逆に、5番の実績値を「ケースバイケース」としか答えられない会社は、エンジニア職の決定数が少ない可能性があります。ここまでで紹介会社の選び方は決まりますが、そもそも人を採ることが自社の目的に合っているのか——最後にその前提を確かめておきませんか。

人材紹介・雇用代行(EOR)・開発委託(ラボ型)の3択と、「採用しない」という選択肢

TALENTBASE VIETNAMの日本人PMとベトナム人エンジニアのチーム

外国人エンジニアの力を借りる方法は、日本に呼んで雇う以外に2つあります。現地に住んだまま雇用する雇用代行(EOR)と、専属チームに開発そのものを委託するラボ型開発です。この3つは費用の出方も立ち上がりの速さも違うため、項目ごとに優劣を競わせるのではなく、自社の目的に照らして選ぶものだと考えてください。

3つの選択肢の比較表(立ち上がり・費用の出方・在留資格の要否・人財の帰属)

項目

人材紹介で日本に呼ぶ

雇用代行(EOR)で現地で雇う

開発委託(ラボ型)

契約の形

自社と本人の雇用契約

EOR事業者が現地で雇用し、自社は業務委託等で受け取る

開発会社と準委任契約

在留資格の要否

必要

不要

不要

立ち上がりの目安

数か月(在留資格の審査を含む)

数週間〜1か月

最短2週間

費用の出方

年収+成功報酬(理論年収に対する一定料率)+渡航・住居・手続き費用

現地給与+現地の法定費用+EOR手数料(月額)

月額単価(管理費・手数料込み)

人財の帰属

自社

実質的に自社(指揮命令の設計に注意)

開発会社

やめるときの負担

雇用契約のため重い

月額の解約予告

月額の解約予告

向く目的

人を自社に抱え、社内にノウハウを残したい

現地の人財を長期で確保したいが法人は作りたくない

開発を早く進めたい。チームごと外に置いてよい

人材紹介・雇用代行(EOR)・開発委託(ラボ型)と「採用しない」選択肢を目的から選び分ける判断フローと、在留資格・立ち上がり・費用の出方・人財の帰属の比較

目的が「人を抱える」か「開発を進める」かで、選択はほぼ決まる

判断の分かれ目は1つです。目的が「自社に人財を抱え、ノウハウを社内に残すこと」なら、人材紹介で日本に呼ぶか、雇用代行で現地に置くかの二択です。目的が「いま止まっている開発を前に進めること」なら、ラボ型のほうが速く、合わなければ月単位でやめられます。

ここで正直に書いておきたいのは、「採用しない」も正当な選択だということです。要件を並べてみると、実は必要なのは特定のスキルを持った個人ではなく、設計からテストまで回せるチームだった、という相談は珍しくありません。1名を採用して立ち上げるより、チームを外に置くほうが早い場面があります。逆に、社内の業務知識を人に溜めたいなら、時間がかかっても採用が正解です。ここを曖昧にしたまま紹介会社に依頼すると、数か月後に「採れたが期待した役割と違った」という結果になりがちです。

現実的には、併走させるのが最もうまくいきます。採用活動は数か月かかる前提で続けつつ、その待ち時間の開発をラボ型で動かす。入社後は社内メンバーとラボ側で役割を分ける。この形が、期限と社内蓄積の両方を守れる唯一の解になることが多いと感じています。

当社の位置づけと、向く案件・向かない案件

当社が提供しているのは、この3つのうちラボ型開発と雇用代行です。日本国内の人材紹介は当社の提供範囲ではありません。だからこそ、前章までの紹介会社の選び方を中立に書けます。

体制は、日本人PM/ブリッジSEを置くパターンAと、エンジニアのみのパターンBの2つです。グループで保有する2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2相当を含む)から直接アサインするため、協力会社を経由する仲介マージンは乗りません。1名から契約でき、最短2週間で開始、増員は約1週間、縮小や交代は1か月単位です。流れは打ち合わせ→アサイン(約1週間)→候補者面談(約1週間)→開始で、候補者と面談してから決められます。契約と支払いは日本国内法人・日本法準拠で、海外送金は不要です。公開単価は実務3年目安のエンジニアで月額1,500USD(約22.5万円)、5年で2,000USD、10年目安のブリッジSEで3,000USD(1USD=150円換算目安)。日本人PMがフロントに立つ最小構成なら、2〜3人月で月額約80万円からです。品質面は、日本人PMの設計レビュー、Gitのプルリクエストによるコードレビューの標準化、リリース前のダブルチェックの3点で担保しています。

実例を挙げると、介護記録SaaS「CareViewer」では日本語ブリッジSE1名とフルスタックエンジニア2名の体制で継続開発を回し、コストは従来の半分以下になりました。運用面では、ベトナムとの時差が2時間、祝日は2026年で年12日(労働法112条の法定は11日で、2026年からベトナム文化の日が加わります)、テト(旧正月)休暇が2026年は2月14日から22日である点を計画に織り込む必要があります。

一方、向かない案件も率直にお伝えします。社内に人財を残し育てることが目的なら、人材紹介か雇用代行を選ぶべきで、ラボ型は適しません。顧客先への常駐や日本国内での対面対応が必須の業務、機密上データを国内から出せない案件も同様です。要件が完全に確定した単発の開発なら、請負のほうが合理的です。自社の目的がどれに当たるかを先に決めてから、選択肢を絞ってください。詳しくは「ラボ型開発」の記事「ベトナム 雇用代行」の記事で扱っています。

外国人エンジニアの人材紹介でよくある質問

外国人エンジニアの人材紹介に関する質問に答える担当者

外国人エンジニアの採用チャネルと人材紹介について、相談の場で繰り返し聞かれる質問を5つにまとめました。社内説明の材料にもお使いください。

Q1. 紹介手数料の相場はいくらですか?

日本の中途採用では、成功報酬は理論年収に対する料率で決まります。料率や金額の相場を示した公的統計・一次調査は確認できないため、本稿では具体的な数値を示しません。技術・人文知識・国際業務や高度専門職の人材は成功報酬型、特定技能は1名あたりの固定料金型が中心で、体系が異なります。

Q2. 紹介会社は何社に依頼すべきですか?

2〜3社を目安にしてください。増やしても、各社の見ている登録者層が重なっていれば同じ候補者が別ルートで出てくるだけです。対応国や得意職種が重ならない会社を選び、全社に同じ8つの質問を投げて条件をそろえてから比較してください。

Q3. 「手数料0円」の会社を使っても大丈夫ですか?

企業負担がゼロなら、その費用を誰が払っているかを確認してください。求職者本人から徴収している場合、来日時点で借金を抱えた候補者が早期に離職する要因になります。有料職業紹介事業の許可番号と、本人への手数料請求の有無の明示を必ず確認してください。

Q4. 在留資格の手続きは紹介会社に任せられますか?

会社によります。申請書類の作成支援まで手数料に含む会社もあれば、行政書士費用が別途になる会社もあります。契約前に「どこまでが手数料に含まれるか」を書面で確認してください。なお本記事の法令に関する記述は一般的な整理であり、法的助言ではありません。個別の判断は出入国在留管理庁の情報と専門家への確認をおすすめします。

Q5. 採用が決まるまでの数か月、開発はどうすればよいですか?

採用活動を続けながら、その間の開発をラボ型開発や雇用代行で動かす併走が現実的です。当社の場合、1名から契約でき最短2週間で開始、増員は約1週間、縮小と交代は1か月単位のため、社内メンバーが入社した時点で規模を落とす運用もできます。採用と外部体制は二者択一ではなく、期限と社内蓄積の両方を守るための組み合わせ。

まとめ: チャネルを6つ並べ、人材紹介は料率ではなく業務範囲で選ぶ——目的が採用でないなら、採らない選択肢も比べる

外国人エンジニアの採用チャネルは、人材紹介、求人媒体、ダイレクトリクルーティング、送り出し機関・海外大学との提携、リファラル、オフショア開発・雇用代行の6つです。費用の出方で見ると、成功報酬型(人材紹介)、先払い型(媒体・ダイレクトリクルーティング)、月額型(オフショア・雇用代行)の3種類に整理できます。1本に絞るより、性質の違う2本を併用するほうが計画は崩れにくくなります。そして、求める業務・必須スキル・日本語要件・報酬レンジの4つが決まっていない求人は、どのチャネルに出しても動きません。

人材紹介の成功報酬は、日本の中途採用では理論年収に対する料率で決まります(料率の相場を示した公的統計は確認できないため本稿では数値を示していません)。職業安定法のもとで徴収できる手数料は届出制と上限制の2方式で、上限制を採る場合の最高額は支払われた賃金額の11.0%(免税事業者10.3%)と告示で定められています。求職者からの手数料徴収は原則禁止のため、「手数料0円」をうたう事業者は、本人負担の有無と許可番号を必ず確認してください。返金規定は保証期間も返金率も事業者ごとに異なり、対象となる退職事由と申請期限で実効性が変わります。選ぶときは料率ではなく、対応国と言語、在留資格の実務知識、来日後の定着支援、エンジニア職の紹介実績、返金とフォローの5点で比べ、同じ8つの質問を全社に投げてください。なお、本記事の法令に関する記述は一般的な整理であり、法的助言ではありません。

最後に、目的を確かめてください。社内に人財を抱えてノウハウを残したいなら、人材紹介で日本に呼ぶか雇用代行で現地に置く。いま止まっている開発を前に進めたいだけなら、採用しないという選択肢が最短のこともあります。当社が提供しているのはラボ型開発と雇用代行で、日本国内の人材紹介は行っていません。だからこそ中立に書けます。体制の詳細はラボ型開発とは、現地雇用の仕組みはベトナムの雇用代行(EOR)をあわせてご覧ください。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、採用・雇用代行・開発委託のどれが合うかの判断と概算見積もりでお答えします。合わない案件にはその旨も率直にお伝えします。

無料相談する 記事一覧へ戻る

まずは無料相談から

現在の体制と要件をお聞かせください。同等品質でどこまで下げられるか、概算見積もりでお答えします。

資料ダウンロード 無料相談する