業務委託契約の再委託——認める・禁止するの二択ではない。民法の扱い、承諾方式5パターンと条項例、オフショア開発で多重下請けを防ぐ確認事項【2026年版】

2026.09.14|ノウハウ|文: 中元 亨

「契約した開発会社の担当者が『実装は協力会社です』と言った。さらにその先にも会社があるらしい」——システム開発を外注している情報システム担当から、こうした相談をよく受けます。誰が実際に作っているのか分からない。情報漏えいや品質は大丈夫なのか。契約書には再委託のことが何も書かれていない。一方で、契約書を作る側からは「再委託を全面禁止にすると開発会社に断られる」という迷いも聞きます。

結論から言うと、業務委託契約の再委託は「認めるか禁止するか」の二択ではなく、「誰が作業しているかを発注者が把握できる仕組み」を契約と運用で作る問題です。民法は請負について再委託の可否を直接定めておらず、準委任は「委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない」(644条の2第1項、656条で準用)と定めています。民法の条文だけに任せると、どこまで認められるかが契約ごとに争いになります。だから契約書で承諾方式を設計します。現実的な落としどころは、契約時に再委託先リストを合意し、変更時は通知または承諾、個人データやコア業務は都度書面承諾という形です。

把握する仕組みがあれば、再委託のメリット(スキル補完・効率・コスト)を取りつつ、情報漏えい・管理不能・責任の曖昧さというリスクを抑えられます。逆に、条項を置かずに始めると、無断で再委託され、漏えいが起きたときに責任の所在を争うことになる。これが再委託で起きる失敗のもとです。オフショア開発では、多重下請けで単価が目減りし、実作業者の雇用主が見えなくなる問題も重なります。

本記事では、再委託の定義と下請け・外注との違い、請負と準委任で異なる民法上の扱い、メリットとリスク、承諾方式5パターンと条項例、個人情報を扱う場合の委託先監督、システム開発・オフショアで多重下請けを防ぐために契約前に聞くことと契約書の書き方、当社の体制、よくある質問の順に解説します。法的助言ではなく相談前の整理としてお読みいただき、契約の最終判断は弁護士にご確認ください。

私は人材業界の出身で、SES・派遣・人材紹介の商流を実務で扱ったうえで、2018年からホーチミンでベトナムオフショア開発の体制づくりに携わり、約100社の相談に乗ってきました。再委託の問題に共通するのは「安さの理由を商流で説明できない会社を選んでいた」ことです。この記事を読み終えるころには、契約前に何を聞き、契約書に何を書けばよいかが判断できるはずです。

目次
  1. 業務委託契約の再委託とは
  2. 定義と違い(表): 再委託、外注、下請け
  3. 請負と準委任で扱いが違う
  4. なぜ争点になるのか
  5. 私が商流の実務で見てきたこと
  6. 再委託のメリット・リスクと、承諾方式5パターン・条項例、個人情報を扱う場合の委託先監督
  7. メリット3とリスク4(表)
  8. 承諾方式5パターン(表)
  9. 条項例——禁止、自己判断で可、事前許諾、同等義務、損害の責任
  10. 個人情報を扱うなら
  11. システム開発・オフショアで多重下請けを防ぐ
  12. 多重下請けで何が起きるか
  13. 契約前に聞くこと(表)
  14. 契約書の書き方
  15. 当社の体制——人財DBから直接アサインし、再委託が構造的に発生しない
  16. 業務委託契約の再委託でよくある質問
  17. Q1. 準委任契約では再委託はできないのですか?
  18. Q2. 再委託を全面禁止にすると、開発会社に断られますか?
  19. Q3. 無断で再委託されていたら、どうすればよいですか?
  20. Q4. 海外の再委託先が個人情報を扱う場合、何に注意すべきですか?
  21. Q5. 当社(TALENTBASE VIETNAM)は再委託をしますか?
  22. まとめ: 再委託は「誰が作っているか」を把握する問題

業務委託契約の再委託とは——下請け・外注との違い、請負と準委任で異なる民法上の扱い、なぜ争点になるのか

業務委託契約の再委託条項を契約書で確認する手元

再委託は、外注が当たり前になったシステム開発では珍しくありません。問題は、それが契約でどう規律されているか、あるいはまったく規律されていないかです。ここでは定義と似た言葉の違い、請負と準委任で異なる民法上の扱い、なぜ再委託が発注者と受託者の間で争点になるのかを整理します。なお本記事は法的助言ではなく相談前の整理で、契約の最終判断は弁護士にご確認ください。

定義と違い(表): 再委託、外注、下請け

用語

意味

再委託

業務委託契約で発注者から委託された業務を、受託者が第三者に再度委託すること

A社がB社に委託した開発を、B社がC社に委託する

外注

外部の事業者に業務を依頼すること全般。再委託は外注の一種

A社がB社に開発を委託する

下請け

請負契約に基づく再度の請負。再委託のうち請負契約に限った呼び方

B社がC社に一括請負で丸ごと出す

freeeの整理では、再委託は業務の委託全般を指す広い言葉で、下請けは請負契約に基づくものに限られます。実務では区別せずに使われることも多いのですが、契約類型によって法律上の扱いが違うため、本記事では再委託で統一し、必要に応じて請負・準委任を分けて書きます。

請負と準委任で扱いが違う——民法の原則

民法には、請負人が第三者に再委託(下請負)してよいかを直接定めた規定がありません。632条が定めているのは「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する」ことだけで、誰がその仕事をするかには触れていません(e-Gov法令検索で2026-09-21確認)。条文に定めがない以上、可否と条件は契約書で決めておく必要があります。

一方、委任・準委任では民法644条の2第1項が「受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない」と定めています。準委任(法律行為でない事務の委託)にも656条で準用されるため、ラボ型開発やSESのような準委任契約では、発注者の許諾かやむを得ない事由がなければ復受任者を選任できません。実務上の業務委託契約は請負・準委任のどちらに当たるかが一義的に決まらないことも多く、条文だけでは判断しきれません。だから多くの契約書が再委託条項を置いています。条文の文言はe-Gov法令検索で確認しました(2026-09-21)。

なぜ争点になるのか——「誰が作業しているか」を把握できないと管理できない

発注者からすれば、誰が作業しているかを把握できなければ、情報漏えいリスク・品質管理・責任の帰趨を管理できません。受託者からすれば、専門業者への外注は業務遂行に不可欠で、案件のたびに承諾を取るプロセスは重荷です。ここに利害の対立があります。

紛争が起きやすいのは、再委託先の従業員が情報を漏えいさせたときに発注者が「再委託を認識していなかった」として責任の所在を争う場面、再委託先の品質不足で契約不適合が生じた場面、再委託先の個人データの扱いが不適切で委託元・委託先の監督体制が問われる場面です。いずれも契約前に承諾方式を設計しておけば、リスクは相当程度下げられます。

私が商流の実務で見てきたこと——契約した会社の先に、もう1社あった

私は人材業界の出身で、SES・派遣・人材紹介の商流を実務で扱ってきました。相談で繰り返し出てくるのは「契約した開発会社の担当者が『実装は協力会社です』と言い、さらにその先にも会社があるらしい」というものです。契約書に再委託条項がなく、発注者は誰が作っているかを把握する手段を持っていませんでした。再委託は「禁止か許可か」ではなく「把握できるか」の問題だ、というのが私の持論です。次章では、その把握の仕組みである承諾方式と条項を整理します。

再委託のメリット・リスクと、承諾方式5パターン・条項例、個人情報を扱う場合の委託先監督

再委託の承諾方式と条項を協議する打ち合わせ

再委託を認めるかどうかは、メリットとリスクを踏まえたうえで「どの承諾方式にするか」の設計問題です。全面禁止と無制限の間に、実務で使える中間の形が3つあります。ここではメリットとリスク、承諾方式5パターンと現実的な落としどころ、条項例、個人情報を扱う場合の委託先監督を整理します。

メリット3とリスク4(表)

区分

内容

メリット① スキルの補完

受託者に足りない技術を専門の再委託先で補い、発注者は品質の高い成果物を得られる

メリット② 効率とスピード

作業人員が増え、納期の厳しい案件や繁忙期に対応できる。発注者は人材を常時抱えなくてよい

メリット③ コスト

受託者のノウハウやスケールメリットを活かせ、自社で行うよりコストが下がる場合がある

リスク① 情報漏えい

情報を渡す先が増えるほど漏えいリスクが上がる。NDAの再締結と定期的なセキュリティチェックが要る

リスク② 管理が届かない

発注者は再委託先と直接の契約関係がなく、進捗も品質も見えにくい。三者間で管理が複雑化

リスク③ 責任の所在

関わる担当者が増えるほど責任が曖昧になり、擦り付け合いが起きる

リスク④ 品質

再委託先が元の受託者と同じ品質・信頼性で遂行できるか不確定

freeeとWorkshipの整理を統合しました。リスクはいずれも「把握できないこと」から生まれます。

承諾方式5パターン(表)——現実的な落としどころ

パターン

概要

発注者にとって

受託者にとって

適する場面

① 無制限

制限なし(条項の記載自体がない)

誰が作業しているか把握できない

自由度は高いが責任配分は契約解釈次第

採用する理由は乏しい。空白として残すのは危険

② 全面事前承諾制

再委託の都度、書面で事前承諾

網羅的に把握・統制できる

手続き負担が大きく、緊急時の増員が難しい

秘密情報が多い案件、個人データを含む案件

③ 包括承諾制

契約時に再委託先リストを合意し、変更時のみ通知または承諾

全体像を把握し、変更も追跡できる

一度合意すれば通常業務は円滑

継続的な委託、長期のシステム開発・保守

④ 重要業務のみ承諾制

重要業務は事前承諾、補助的業務は通知のみ

核心の管理を維持しつつ柔軟性を確保

現実的に運用できる

業務範囲が広い委託、運用・保守

⑤ 事前通知+異議申立権

受託者が事前通知し、一定期間(例: 7営業日)内に合理的理由で異議がなければ承諾とみなす

異議権は残るが期間内に対応が要る

無応答による停滞を避けられる

アジャイル型開発、外注先の入れ替えが頻繁な業務

業務委託契約の再委託の承諾方式5パターン(無制限・全面事前承諾・包括承諾・重要業務のみ承諾・事前通知+異議申立権)の比較と、包括承諾+変更時通知+重要業務は都度承諾という現実的な落としどころ

この5類型は法律が定めているものではなく、当事者が選べる契約設計の選択肢を当社が整理したものです。実務で多いのは「③包括承諾制+変更時通知(または承諾)」を基本に、個人データを扱う業務やコア設計・セキュリティ関連は「変更の都度、書面による事前承諾」とする特則を置く形です。既存の外注体制を維持しつつ、発注者は変更時のコントロールを保てます。④を使う場合は「重要業務」の定義が最大の論点で、業務仕様書か別紙に承諾を要する業務を列挙するのが運用しやすい、というのが実情です。

条項例——禁止、自己判断で可、事前許諾、同等義務、損害の責任

再委託の条項は、大きく5つの型に分けて書けます。発注者の立場で並べます。全面禁止なら「乙は、いかなる場合も本件業務を第三者に再委託することができない」。全面的に認めるなら「乙は、自己の判断で、本件業務を第三者に再委託できる」。条件付きなら「乙は、事前に甲の許諾を得れば、本件業務を第三者に再委託できる」。再委託先にも同じ義務を負わせるなら「乙が本件業務を第三者に再委託する場合には、第○条に定める乙の義務と同等の義務を当該第三者に負わせるものとする」。損害の責任を受託者に集約するなら「再委託先の故意または過失により甲に損害が生じた場合には、乙がその損害の賠償責任を負う」。

これに、再委託先や委託範囲の限定(所在地・業務の一覧)、発注者による監査・報告の権利を加えると、把握の仕組みが契約に落ちます。契約書に条項がない場合は民法の定めに従うため、請負は可否を定めた規定がなく原則として制限されず、準委任は644条の2第1項の「委任者の許諾」「やむを得ない事由」の解釈で争いになる。認めるか、認めるならどの条件かは、契約書に書いておくべきです。

個人情報を扱うなら——委託先の監督は個人情報保護法25条、海外への再委託は28条

個人データの取扱いを委託する場合、委託元は個人情報保護法25条に基づき委託先を必要かつ適切に監督する義務を負います。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、適切な委託先の選定、委託契約の締結、委託先における取扱状況の把握の3つを挙げており、再委託先にも同等の安全管理措置が及ぶよう契約で連鎖させる必要があります。海外の再委託先に個人データが渡る場合は、28条の外国にある第三者への提供の制限が関わります。25条は「個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない」と定めています(e-Gov法令検索で2026-09-21確認)。ガイドラインの内容は個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」でご確認ください。

あわせて、取適法(旧下請法、2026年1月施行)とフリーランス新法(2024年11月施行)は、再委託の連鎖の中で受託者が個人事業主に発注するときの取引条件の明示や支払期日に関わります。責任を「すべて受託者に」と一般化しすぎず、誰が何を守るかを条項で分ける。これが再委託条項を設計するときの教訓です。

システム開発・オフショアで多重下請けを防ぐ——契約前に聞くこと、契約書の書き方、当社の直接アサイン

人財データベースから直接アサインし再委託が発生しないTALENTBASE VIETNAMのチーム

システム開発、とくにオフショアやSESでは、再委託が「多重下請け」の形で現れます。契約した会社が受注後に協力会社から人を集め、その先にさらに会社がある。発注者からは商流が見えません。ここでは多重下請けで何が起きるか、契約前に聞くこと、契約書の書き方、当社の体制を整理します。

多重下請けで何が起きるか——マージンの目減り、使用者不明型、海外の再々委託

多重下請けでは、各階層で管理費や紹介料が乗り、発注額のうち実作業者に届く金額が目減りします。1次請けのPMや品質保証には価値がありますが、付加価値のない階層が見えないまま挟まっていることが問題で、同じ月額でも実装するエンジニアの経験年数が下がります(詳しくは「オフショア開発 中間マージン」の記事)。

もう1つは、厚生労働省東京労働局が偽装請負の類型に挙げる「使用者不明型」です。業者Aが業者Bに発注し、BがCに丸投げし、Cの労働者がAやBの指示で働く。誰に雇われているか分からない状態は、指揮命令の観点でも問題になります(「業務委託契約で行ってはいけない行為」の記事)。オフショアでは、海外の受託先がさらに別の海外法人や個人に再々委託するケースがあり、個人データが渡るなら個人情報保護法28条の外国第三者提供が関わります。準拠法が海外になっていれば、トラブル時の主張も難しくなります。

契約前に聞くこと(表)

質問

見るポイント

実装担当は社員か、協力会社か

受注後に人を集める会社は再委託が前提。単価に紹介料が乗る

何次まで入るか

1次で完結するか、2次・3次があるか。階層が増えるほど目減りと管理不能が進む

再委託先のリストと所在国

会社名・所在国・担当範囲を契約時に開示できるか。海外の再々委託の有無

NDAと安全管理措置の連鎖

再委託先にも同等の秘密保持・アクセス管理・端末管理を負わせているか

変更時の通知

再委託先やメンバーが変わるときに事前通知または承諾があるか

監査・報告の権利

発注者が再委託先の体制を確認できるか。定期報告の頻度

オフショア開発の多重下請けの商流(発注者→元請け→協力会社→再々委託)と、人財データベースから直接アサインする当社の商流の対比、契約前に聞く6つの質問

この6つに即答できる会社は商流が単純です。曖昧に答える会社は、単価がどれほど安くても要注意です。安さの理由を商流で説明できるかどうかが、契約前の見分け方です。

契約書の書き方——包括承諾+リスト+変更時承諾+同等義務+損害責任+監査権

システム開発の継続的な委託では、③包括承諾制を基本にします。契約時に再委託先リストを別紙として添付し、発注者が確認・合意する。以後の変更は事前通知または事前承諾を義務付ける。個人データを扱う業務やコア設計・セキュリティ関連は、変更の都度書面による事前承諾を要する特則を置く。再委託先にも受託者と同等の義務(秘密保持・安全管理・知的財産)を負わせ、再委託先の故意・過失による損害は受託者が責任を負う。発注者による監査・報告請求の権利を入れる。この6点で、把握の仕組みが契約に落ちます。

当社の体制——人財DBから直接アサインし、再委託が構造的に発生しない

当社は2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2相当を含む)から直接アサインするため、協力会社や紹介経由の再委託が構造的に発生しません。中間マージンが乗らないから、実務3年目安1,500USD(約22.5万円)、5年2,000USD、10年・ブリッジSE 3,000USDと単価を公開できる。再委託がないことと単価を公開できることは、同じ構造の裏表です。契約書には再委託の扱いを明記し、契約と支払いは日本国内の法人と日本法準拠で行います。開発はGitのプルリクエストで標準化しているため、誰がどのコードを書いたかも追えます。契約前に候補者と面談でき、1名から最短2週間で始められます。

介護記録SaaS「CareViewer」や決済アプリの継続開発でも、日本人PMと当社のエンジニアで体制が完結しています。あなたが今検討している会社は、「実装担当は社員か、協力会社か」に即答できるでしょうか。

業務委託契約の再委託でよくある質問

業務委託契約の再委託に関する質問に答える担当者

再委託について、システム開発の発注者から相談の場で繰り返し聞かれる質問を5つにまとめました。契約書を確認する前の整理にお使いください。

Q1. 準委任契約では再委託はできないのですか?

原則として、委任者の許諾かやむを得ない事由がなければ復受任者を選任できません(民法644条の2)。ただし契約で許諾の方式を定めれば認められます。ラボ型やSESの契約書で再委託条項を確認してください。

Q2. 再委託を全面禁止にすると、開発会社に断られますか?

断られることはあります。緊急時の増員や特定技術の外注ができなくなるためです。包括承諾制(契約時にリストを合意し、変更時は通知または承諾)を基本に、個人データやコア業務は都度承諾とする設計が現実的です。

Q3. 無断で再委託されていたら、どうすればよいですか?

まず契約書の再委託条項と、実際の商流(何次まで・所在国)を確認してください。条項に違反していれば是正と損害賠償の交渉、条項がなければ次の更新で条項と再委託先リストを取り決めます。個人データが渡っていれば委託先監督の観点で早急に確認が要ります。弁護士への相談をお勧めします。

Q4. 海外の再委託先が個人情報を扱う場合、何に注意すべきですか?

個人情報保護法28条の外国にある第三者への提供の制限が関わり、本人の同意や相手国の制度・体制の確認が求められます。再委託先の所在国と安全管理措置を契約で把握し、必要なら国内にデータを置いて処理だけを委託する設計にしてください。

Q5. 当社(TALENTBASE VIETNAM)は再委託をしますか?

当社は人財データベースから直接アサインするため、協力会社や紹介経由の再委託が構造的に発生しません。契約書に再委託の扱いを明記し、日本国内の法人と日本法準拠で契約します。単価を公開できるのも、商流が1段階だから。

まとめ: 再委託は「誰が作っているか」を把握する問題——民法に任せず契約で設計し、商流が単純な会社を選ぶ

業務委託契約の再委託は、委託された業務を受託者が第三者に再度委託することで、外注全般や請負に限った下請けとは区別されます。民法は請負について再委託の可否を直接定めておらず、準委任は「委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない」(644条の2第1項、656条で準用)と定めています。民法の条文だけに任せると、どこまで認められるかが契約ごとに争いになります。だから契約書で承諾方式を設計します。再委託にはスキル補完・効率・コストのメリットがあり、情報漏えい・管理不能・責任の曖昧さ・品質というリスクは、いずれも「把握できないこと」から生まれます。

承諾方式は、無制限、全面事前承諾、包括承諾(リスト合意+変更時通知/承諾)、重要業務のみ承諾、事前通知+異議申立権の5パターンがあり、現実的な落としどころは包括承諾制を基本に、個人データやコア業務は都度書面承諾とする形です。条項には、再委託先への同等義務の負担、再委託先の故意・過失による損害は受託者が責任を負うこと、監査・報告の権利を入れてください。個人データを扱うなら委託先の監督は個人情報保護法25条の義務で、海外への再委託は28条が関わります。

システム開発・オフショアでは、多重下請けによるマージンの目減りと使用者不明型の偽装請負を防ぐため、契約前に「実装担当は社員か協力会社か」「何次まで入るか」「再委託先のリストと所在国」「NDAと安全管理措置の連鎖」「変更時の通知」「監査権」を聞いてください。当社は2,000名以上の人財データベースから直接アサインするため再委託が構造的に発生せず、その構造があるから単価を公開できます。契約書に再委託の扱いを明記し、日本国内の法人と日本法準拠で契約します。商流の実態はオフショア開発の中間マージン、指揮命令の問題は業務委託契約で行ってはいけない行為もあわせてご覧ください。現在の契約と体制をお聞かせいただければ、商流の整理を含めた概算見積もりでお答えします。合わない案件にはその旨も率直にお伝えします。契約の最終判断は弁護士にご確認ください。

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