「雇用代行(EOR)を使うと、結局月にいくらかかるのか」——EORの仕組みを理解した企業様から、次に必ず受ける質問です。手数料は月額599USDと書いてあるが、それで全部なのか。給与や社会保険はどう乗るのか。現地法人を作るより本当に安いのか。多くのEOR事業者は料金を個別見積もりとしており、相見積もりを取って初めて相場感がつかめる、というのが実情です。
結論から言うと、雇用代行(EOR)の費用は「EOR手数料+本人給与+現地の法定費用」の3層で決まります。グローバル大手が自社サイトで公開している手数料は1名あたり月額599〜699USD(約9〜10.5万円 / 1USD=150円換算の目安)ですが、総額を左右するのは給与と法定費用のほうです。ベトナムで実務3年目安のエンジニアを1名雇うと、月額約2,050〜2,550USD(約31〜38万円)が目安になります。
この3層で見積もりを分解できれば、手数料の安い事業者に飛びついて為替やデポジットで総額が逆転する失敗も、法人設立との比較で人数の目安を誤る失敗も避けられます。逆に、料金表の手数料だけで予算を組むと、請求書を見て驚くことになります。
本記事では、雇用代行の費用構造(料金体系の3つの型、含まれるもの・含まれないもの)、2026年時点の相場(手数料の公開料金、ベトナムの給与と社会保険料率、1名あたり総額の試算、現地法人設立との比較)、費用を抑える方法と失敗しない選び方(隠れ費用のチェックリスト、契約条件、当社の位置づけ)、よくある質問の順に解説します。数字はすべて出典と時点を添え、他社の料金は公開情報の範囲で「目安」として扱います。
私は人材業界の出身で、2018年からホーチミンでベトナムの人財採用と開発体制づくりに携わり、約100社の相談に乗ってきました。費用で失敗した相談に共通するのは、たった2つです。この記事を読み終えるころには、自社の要件で月額と年額がいくらになるか、法人設立とどちらが合うかを、根拠付きで説明できるはずです。
目次
- 雇用代行(EOR)の費用構造
- 料金体系の3つの型
- 費用に含まれるもの・含まれないもの
- 「雇用代行」と「採用代行(RPO)」の費用は別物
- 見積書は「手数料+給与+法定費用」の3層で確認する
- 雇用代行(EOR)の費用相場【2026年】
- EOR手数料の公開水準
- ベトナムの給与水準と雇用主負担の法定費用
- 1名あたり総額の試算例
- 現地法人設立との比較
- 雇用代行の費用を抑える・失敗しない選び方
- 隠れ費用のチェックリスト7項目
- 費用を抑える5つの方法
- 当社のEOR(雇用代行)の費用の考え方と、向かない案件
- 雇用代行(EOR)の費用でよくある質問
- Q1. EORの手数料はいくらが相場ですか?
- Q2. 手数料に給与や社会保険は含まれますか?
- Q3. 現地法人を作るのとどちらが安いですか?
- Q4. 手数料以外に何がかかりますか?
- Q5. 当社(TALENTBASE VIETNAM)の料金はいくらですか?
- まとめ: 雇用代行の費用は「給与+法定費用+手数料」の総額で比べる
雇用代行(EOR)の費用構造——料金体系の3つの型と、費用に含まれるもの・含まれないもの

雇用代行(EOR: Employer of Record)は、事業者が現地で法律上の雇用主となり、依頼企業が業務指示を行う仕組みです。仕組みの詳細は「EORとは」の記事に譲り、本記事は費用に絞ります。EORの費用は「EOR手数料+本人給与+現地の法定費用」の3層で決まり、事業者の料金表に載っているのは、このうち手数料だけです。まずは手数料の料金体系と、手数料に何が含まれ、何が含まれないかを押さえてください。
料金体系の3つの型——月額固定型・給与比率型・初期費用/デポジット
EOR手数料の料金体系は、大きく3つの型に分かれます。
型 | 仕組み | 目安(2026年時点・一般相場) | 向くケース |
|---|---|---|---|
月額固定型 | 従業員1名あたり月額で手数料が決まる | グローバル大手が公開する料金は1名あたり月額599〜699USD(約9〜10.5万円)、最安級は199USD〜 | 給与水準が高い人財。総額の予測が立てやすい |
給与比率型 | 月額給与の一定率を手数料とする | 比率は事業者ごとに異なり、公開されていないことが多い | 給与水準が低い人財や短期。給与が上がるほど割高になる |
初期費用・デポジット | 契約時の一時金と、給与1か月分程度の預け金 | 事業者による。初期費用ゼロ・デポジット不要の事業者もある | 費用ではなく資金拘束。資金繰りに影響する |
※グローバル大手の金額は各社の公式料金ページ(2026年9月21日確認)によります。円換算は1USD=150円の目安で、事業者・国・時期により変動します。
どちらの型が得かは給与水準で決まります。給与が高い人財ほど固定型が有利になり、給与が低い職種ほど比率型が安くなります。分岐点は事業者の提示する比率しだいなので、両方の型を出せる事業者には自社の給与水準で両方の見積もりを出してもらってください。
費用に含まれるもの・含まれないもの——給与本体・法定費用・採用費は別
手数料に含まれるのは「雇う機能」の代行です。給与本体や雇用主負担の法定費用は、手数料とは別に毎月発生します。
区分 | 項目 | 補足 |
|---|---|---|
含まれる | 現地法に沿った雇用契約の作成・締結 | 試用期間・有期/無期・解雇手続きを現地法に合わせる |
含まれる | 給与計算と現地通貨での支払い | 為替の適用レートは別途確認 |
含まれる | 個人所得税の源泉徴収・申告 | ベトナムは5〜35%の累進課税(従業員負担) |
含まれる | 社会保険・医療保険・失業保険の加入手続きと納付代行 | 保険料そのものは含まれない |
含まれる | 労務管理・法令対応 | 就業規則、休暇管理、労働法改正への対応 |
含まれる | 入社・退職手続き(標準的なオフボーディング) | 複雑な解雇対応は追加費用の場合がある |
含まれない | 本人給与 | 総額の大半を占める |
含まれない | 雇用主負担の法定費用 | ベトナムは給与の21.5%(社会保険17.5%[うち労災0.5%]・健康保険3%・失業保険1%)+労働組合経費2% |
含まれない | 賞与・13か月目給与・手当・任意の福利厚生 | 国の慣行と契約条件で発生 |
含まれない | 採用費(候補者探し) | 採用支援のない事業者では、人材紹介やRPOを別契約 |
含まれない | 為替コスト・デポジット・ビザや就労許可の支援 | 料金表の見出しに載りにくい |

見積もりを取る際は、この表の「含まれる」側が手数料に入っているか、「含まれない」側がいくらかを、事業者ごとに同じ粒度でそろえて比べてください。粒度がそろっていない見積もりを並べるのは、比較になりません。
「雇用代行」と「採用代行(RPO)」の費用は別物——検索で混同しやすい点
「雇用代行 費用」で検索すると、採用代行(RPO)の費用記事が上位に並びます。RPOは求人票の作成やスカウト、面接調整といった「人を探す活動」の代行で、費用は月額固定制か成果報酬制が中心です。一方、雇用代行(EOR)は「雇う機能」の代行で、費用は1名あたりの手数料と、その人の給与・法定費用の合計です。
段階が違うため、両者は代替関係ではなく組み合わせて使うものです。候補者がまだいない企業がEORだけを契約すると、雇う仕組みはあるのに雇う人がいない、という状態になります。この場合は、RPOや人材紹介を別に契約するか、採用支援を含むEOR事業者を選びます。採用費が手数料に含まれるかどうかは、総額を大きく変える要素です。
見積書は「手数料+給与+法定費用」の3層で確認する——私が見てきた失敗2つ
私は2018年からホーチミンで約100社の相談に乗ってきましたが、費用で失敗した相談には共通点が2つあります。1つ目は「手数料の公開料金だけで予算を組んだ」ケースです。月額599USDの手数料で1名分の予算を確保し、契約後に給与と社会保険、為替コストが乗った請求を見て、社内説明をやり直すことになる。料金表に載るのが手数料だけである以上、この失敗は構造的に起きます。
2つ目は「候補者探しが含まれない事業者と契約した」ケースです。雇用管理のプラットフォームは整ったものの、肝心のエンジニアが見つからず、人材紹介を別に契約して初年度の費用が想定を大きく上回る。どちらも、見積もりを3層に分解し、含まれないものを最初に洗い出していれば防げたものです。次章では、この3層それぞれの2026年時点の相場と、ベトナムで1名雇う場合の総額を試算します。
雇用代行(EOR)の費用相場【2026年】——手数料の公開料金、ベトナムの給与と社会保険料率、1名あたり総額、現地法人設立との比較

「相場はいくらか」と聞かれたとき、手数料の相場だけを答えても予算は組めません。この章では、EOR手数料の公開料金、ベトナムの給与水準と雇用主負担の法定費用、それらを合わせた1名あたりの総額、そして現地法人設立との比較を、2026年時点の公開情報と当社の公開単価をもとに整理します。他社の料金はすべて公開情報の範囲での目安です。
EOR手数料の公開水準——グローバル型は月額599〜699USD、最安級199USD〜
型・事業者 | 手数料(従業員1名あたり月額) | 出典・時点 |
|---|---|---|
グローバル型: Deel | 1名あたり月額599USD | Deel公式料金ページ 2026年9月21日確認 |
グローバル型: Remote | 1名あたり月額699USD | Remote公式料金ページ 2026年9月21日確認 |
グローバル型: Oyster | 1名あたり月額699USD | Oyster公式料金ページ 2026年9月21日確認 |
低価格帯: Remofirst | 1名あたり月額199USD〜(国の要件により変動) | RemoFirst公式料金ページ 2026年9月21日確認 |
日本語対応型・採用支援付き型(GoGlobal、PLUS TALENT、当社など) | 個別見積もり(公開料金なし) | 各社公式サイト |
グローバル大手3社の手数料は599〜699USD(約9〜10.5万円 / 1USD=150円換算の目安)に収れんしており、手数料だけで差をつけるのは難しくなっています。一方、日本語で伴走する事業者や採用支援を含む事業者は個別見積もりが中心で、公開情報が少ないのが実情です。この層の手数料は、給与比率型か、グローバル型より高めの固定型が多いと当社は見ていますが、公開データがないため断定はできません。相見積もりで確認してください。
ベトナムの給与水準と雇用主負担の法定費用——21.5%+労働組合経費2%(2026年度時点)
総額の大半を占めるのは給与です。ベトナムのITエンジニアの給与は、当社の公開単価では実務3年目安で月額1,500USD(約22.5万円)、5年で2,000USD(約30万円)、日本語堪能なブリッジSEで3,000USD(約45万円)です。ジェトロ「2025年度 海外進出日系企業実態調査(アジア・オセアニア編)」(2025年11月26日公表・賃金は2025年8月時点)では、ベトナムの非製造業スタッフの月額基本給は平均784USD(約11.8万円)で、非IT職種はこれより低い水準から始まります。
給与に上乗せされる雇用主負担の法定費用は次の通りです。
項目 | 雇用主負担 | 従業員負担 |
|---|---|---|
社会保険(疾病・出産・労災・年金等) | 17.5% | 8.0% |
医療保険 | 3.0% | 1.5% |
失業保険 | 1.0% | 1.0% |
小計 | 21.5% | 10.5% |
労働組合経費(企業内に組合がなくても納付) | 2.0% | 組合加入者は1% |
※2026年度時点の料率。外国人従業員は失業保険が対象外のため雇用主負担は約20.5%です。2025年7月施行の改正社会保険法(41/2024/QH15)で加入対象が拡大しており、料率と算定基礎は最新の法令で確認してください。
雇用主負担は合計で給与の23.5%になります。料率はジェトロ「外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用(ベトナム)」(最終更新2025年9月12日、2026-09-21確認)によるもので、社会保険の根拠は社会保険法41/2024/QH15・政令158/2025/ND-CP・決定595/QD-BHXH、労働組合経費2%の根拠は労働組合法50/2024/QH15第29条(2025年7月1日施行)および政令105/2026/ND-CP(2026年3月31日公布・2026年5月16日施行。旧・政令191/2013/ND-CPを置き換え)です。「給与が安いから法定費用も少ない」と考えると総額を見誤ります。
1名あたり総額の試算例——実務3年・5年・ブリッジSEの月額と年額
上の給与と料率に、各社が公開している月額固定型の手数料(199〜699USD)を足すと、1名あたりの月額総額は次のようになります。
経験年数(給与目安) | 本人給与 | 法定費用(21.5%) | 労働組合経費(2%) | EOR手数料(公開料金) | 月額合計 | 円換算 |
|---|---|---|---|---|---|---|
実務3年目安 | 1,500USD | 約320USD | 約30USD | 199〜699USD | 約2,050〜2,550USD | 約31〜38万円 |
実務5年目安 | 2,000USD | 約430USD | 約40USD | 199〜699USD | 約2,670〜3,170USD | 約40〜48万円 |
ブリッジSE(実務5年以上・日本語堪能) | 3,000USD | 約645USD | 約60USD | 199〜699USD | 約3,900〜4,400USD | 約59〜66万円 |
※給与は当社公開の単価表に基づく目安、法定費用は2026年度時点の料率、手数料は各社が公式サイトで公開している料金(2026年9月21日確認)の幅です。円表記は1USD=150円での換算目安で、為替・スキル・事業者により変動します。料金を公開していない事業者や個別見積もりの事業者は、この幅の外に出ることがあります。
年額に直すときは、月額×12に加えて、ベトナムで慣行となっている13か月目給与(給与1か月分)とテトボーナスを見込んでください。実務3年目安なら、月額約2,050〜2,550USDに13か月目給与1,500USDを足して、年額約26,100〜32,100USD(約390〜480万円)が目安です。当社がオフショア開発の単価を公開しているのと同じ考え方で、内訳を先に開いてしまったほうが社内で説明しやすくなります。自社の要件でいくらになるかは、候補者の給与水準を仮置きして、この表の計算をなぞるのが最も早く正確です。
現地法人設立との比較——初期費用・維持費・1名あたり総額・撤退、損益分岐の目安
「法人を作るより安いのか」は、人数と期間で答えが変わります。現地法人は設立と維持に固定費がかかる固定費型、EORは1名ごとに手数料がかかる変動費型だからです。
比較項目 | 現地法人設立 | EOR(雇用代行) |
|---|---|---|
初期費用 | 150〜200万円(資本金除く)+資本金。資本金の額は業種と事業計画に応じて個別に決まる | 小さい。初期費用ゼロの事業者もある(デポジットは要確認) |
毎年の維持費(固定費) | 年300〜800万円規模(会計・税務顧問、法定監査、オフィス賃料など) | なし。人数分の手数料のみ |
1名あたりの手数料 | なし(給与+法定費用のみ) | 人数分だけ毎月かかる(公開料金は上表のとおり。個別見積もりの事業者もある) |
稼働までの期間 | 標準2〜4か月 | 候補者が決まっていれば数週間〜1か月程度 |
撤退 | 清算手続きが長期化する | 雇用終了の手続きで完了 |
有利になる規模 | 手数料の累計が法人の維持費を上回る規模の長期雇用、現地で売上を計上する場合 | 1〜十数名、期間や規模が不確実な段階 |

※法人設立の費用と期間は当社原稿「ベトナム 法人設立」(2026年時点)に基づきます。分岐点は国・給与水準・設立費用により動くため、自社の数値で試算してください。
数字で見ると分岐点が分かります。手数料599USD(Deelの公開料金)で3名を雇うと、手数料は年間約21,600USD(約320万円)で、法人の維持費300〜800万円を下回ります。10名なら手数料だけで年間約72,000USD(約1,080万円)となり、法人の維持費を上回る可能性が出てきます。当社の既存記事では10名前後を「法人設立との比較を始める目安」としてきました。少人数で、しかも計画どおりに進むか分からない段階では、撤退が容易なEORから始め、手数料の累計が法人の維持費を上回った時点で法人へ移す順序が現実的です。撤退の容易さは金額に表れませんが、海外事業では最も高くつくリスクを消す要素です。
雇用代行の費用を抑える・失敗しない選び方——隠れ費用チェックリスト、契約条件、当社の位置づけ

相場が分かったら、次は「どう抑えるか」「どこで失敗するか」です。EORの費用で失敗する原因のほとんどは、料金表の見出しに載らない費用と、契約条件の見落としにあります。この章では隠れ費用のチェックリスト、費用を抑える5つの方法、そして当社の位置づけと向かない案件を整理します。
隠れ費用のチェックリスト7項目——契約前に見積もりへ明記させる
見落としやすい費用は、法定費用・為替・デポジット・福利厚生・解約条件の5つに集中します。当社の相談経験から2つを加えた7項目が次の通りです。
- 為替コスト:給与を現地通貨で支払う際、市場レートへの上乗せ分が乗る。上乗せ率は料金表に載らないことが多いため、請求通貨(USD建てか円建てか)・適用レートの決め方・上乗せ率の開示を契約前に確認する
- デポジット(保証金):給与1か月分程度を預ける事業者がある。費用ではないが資金が拘束される。返還条件を確認する
- 初期費用・オンボーディング費用:有無と金額。初期費用ゼロの事業者もある
- 最低契約期間・解約予告:1年縛りや90日前予告などの条件。1年後に法人設立を判断する計画なら、期間が合うかを確認する
- オフボーディングと解雇関連費用:標準的な退職手続きは月額に含む事業者が多いが、複雑な解雇や退職手当は追加費用の場合がある。ベトナムの労働法典45/2019/QH14第35条は、労働者が労働契約を一方的に終了させる場合の事前通知を、無期労働契約で少なくとも45日前、12か月以上36か月以下の有期契約で少なくとも30日前、12か月未満の有期契約で少なくとも3営業日前と定めています
- 福利厚生・ビザ支援:法定の最低限を超える任意保険や手当、外国籍人材の就労許可は別料金や個別見積もりになることがある
- 13か月目給与・テトボーナス:ベトナムの慣行として年13回目の給与とテト(旧正月)前の賞与を見込む。年額に必ず入れる
この7項目に明確に答えられない事業者は要注意です。見積もりの段階で「含まれない」項目を書面で洗い出しておけば、契約後に社内説明をやり直すことはなくなります。
費用を抑える5つの方法——型の選択、人数割引、採用支援、円建て・日本法人契約、契約期間
- 手数料の型を給与水準で選ぶ:給与が高い人財は月額固定型、低い職種は給与比率型のほうが安くなる。両方の型を提示できる事業者なら、自社の給与水準で試算して比べる
- 人数割引と契約形態を確認する:契約期間の長さで月額が下がる事業者や、複数名で単価が下がる事業者がある。増員計画があるなら最初に伝える
- 採用支援込みの事業者で採用費をなくす:候補者がいないなら、人材紹介やRPOを別契約するより、採用支援を含むEORのほうが初年度の総額は下がることが多い
- 円建て・日本法人契約で為替と海外送金の手間を消す:円建て請求なら為替コストの上乗せが見え、日本法人との契約なら海外送金手数料と経理の手間がなくなる
- 最低契約期間を計画に合わせる:法人設立の判断時期や試験導入の期間に合わない縛りは、解約時の費用になる。短い期間から始めて更新できる条件を選ぶ
手数料そのものを値切るより、この5つで総額と手間を下げるほうが効果は大きい、というのが当社の見方です。
当社のEOR(雇用代行)の費用の考え方と、向かない案件
当社は、ベトナムのIT人財に特化した採用支援付きの雇用代行です。料金は個別見積もりとしていますが、考え方は3つに整理できます。1つ目は採用費が乗らないことです。グループの人材紹介事業が持つ2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2相当を含む)から候補者を選び、そのまま当社が法律上の雇用主となるため、人材紹介やRPOを別に契約する必要がありません。2つ目は契約と支払いの形です。日本法人(株式会社TALENTBASE JAPAN)との契約により、海外送金を不要にする選択肢を用意しています(条件は要確認)。3つ目は撤退のしやすさです。1名から始められ、雇用終了の手続きで完了するため、法人の清算のような長期の手続きは発生しません。ラボ型で協働したメンバーを自社専属に切り替える相談にも対応しています。
一方で、当社が全員に最適ではありません。複数国の従業員を1つの基盤で管理したい企業にはグローバル型が、非IT職種で日本語の伴走が欲しい企業には日本語対応型が向きます。同一国で十数名以上を長期に雇う計画が確定している場合や、現地で売上を計上する場合は、現地法人の設立を検討してください。当社に相談いただいても、この条件に当てはまる場合は法人設立のほうが合うとお伝えしています。自社の案件は、人数・期間・候補者の有無のどれで判断が変わりそうでしょうか。
雇用代行(EOR)の費用でよくある質問

雇用代行の費用について、相談の場で繰り返し聞かれる質問を5つにまとめました。予算資料や稟議の補足にお使いください。
Q1. EORの手数料はいくらが相場ですか?
月額固定型では、グローバル大手が公式サイトで公開している料金が1名あたり月額599〜699USD、低価格帯の事業者が公開している料金が199USD〜です(いずれも各社公式料金ページ・2026年9月21日確認。約9〜10.5万円 / 1USD=150円換算の目安)。給与比率型の比率は公開されていないことが多く、日本語対応型や採用支援付き型は個別見積もりが中心のため、相見積もりで確認してください。
Q2. 手数料に給与や社会保険は含まれますか?
含まれません。手数料は雇用契約・給与計算・社会保険の手続き・労務管理といった「雇う機能」の対価で、本人給与と雇用主負担の法定費用(ベトナムは給与の約21.5%+労働組合経費2%)は別に毎月発生します。総額は「手数料+給与+法定費用」で見ます。
Q3. 現地法人を作るのとどちらが安いですか?
少人数ならEOR、手数料の累計が法人の維持費を上回る規模の長期雇用なら現地法人が有利になる、というのが基本の考え方です。法人は設立に150〜200万円、維持に年300〜800万円の固定費がかかるため、自社の人数と給与水準で手数料の年額を出し、この固定費と比べてください。規模が不確実な段階はEORから始めて、人数が増えた時点で法人へ移す順序が現実的です。
Q4. 手数料以外に何がかかりますか?
為替コストの上乗せ分、デポジット、初期費用、解約や複雑な解雇の費用、任意の福利厚生やビザ支援、13か月目給与とテトボーナスです。契約前に見積もりへ明記させてください。
Q5. 当社(TALENTBASE VIETNAM)の料金はいくらですか?
個別見積もりです。2,000名以上のIT人財データベースからの採用支援を含み、日本法人との契約で海外送金を不要にする選択肢があります(条件は要確認)。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、給与・法定費用・手数料に分けた概算でお答えします。合わない案件にはその旨も率直に伝えるのが当社の方針。
まとめ: 雇用代行の費用は「給与+法定費用+手数料」の総額で比べる——少人数はEOR、十数名以上の長期は法人設立
雇用代行(EOR)の費用は、EOR手数料・本人給与・現地の法定費用の3層で決まります。月額固定型の手数料は、グローバル大手が公開する料金で1名あたり月額599〜699USD、低価格帯の公開料金で199USD〜ですが、料金表に載るのは手数料だけで、給与本体・雇用主負担の法定費用(ベトナムは約21.5%+労働組合経費2%)・福利厚生・採用費・為替コストは別に発生します。ベトナムで実務3年目安のエンジニアを1名雇うと、月額約2,050〜2,550USD(約31〜38万円)が2026年時点の目安です。
現地法人は設立に150〜200万円、維持に年300〜800万円の固定費がかかる固定費型、EORは人数分の手数料がかかる変動費型です。手数料の年額がこの固定費を上回る人数が分岐点になります。規模が不確実な段階はEORから始め、人数が増えた時点で法人へ移す順序が現実的です。契約前には為替・デポジット・初期費用・最低契約期間と解約・オフボーディング・福利厚生とビザ・13か月目給与の7項目を見積もりに明記させ、手数料の型・人数割引・採用支援・円建てと日本法人契約・契約期間の5つで総額と手間を下げてください。
当社は料金を個別見積もりとしていますが、2,000名以上のIT人財データベースからの採用支援を含み、日本法人との契約で海外送金を不要にする選択肢を用意し、1名から始めて雇用終了の手続きで撤退できる形にしています。一方で、複数国の一元管理や非IT職種、十数名以上を長期に雇う計画には、グローバル型・日本語対応型・現地法人設立が向きます。仕組みの全体像はEOR(雇用代行)とは、事業者の比較はEOR(雇用代行)サービスの種類と比較もあわせてご覧ください。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、給与・法定費用・手数料に分けた概算見積もりでお答えします。合わない案件にはその旨も率直にお伝えします。