「ベトナムが人気なのは分かったが、中国やインド、フィリピンも比べないと社内で説明できない」「中国の委託先の単価が急騰した。全部ベトナムへ移すべきか」「インドは安くなったと聞くが、時差と品質が不安」——委託先の国を検討する担当者から、こうした相談を受けることが増えました。国別の比較記事は多いのに、自社の案件にどう当てはめるかまで書いたものは少ないのが実情です。
先にお伝えしたいのは、オフショア開発の委託先は「安い国」ではなく「案件との相性」で選ぶ時代だということです。オフショア開発白書2025年版(オフショア開発.com、2026年9月21日確認)では、中国のプログラマー単価が前年比+31.3%で国内並みに近づく一方、インドとフィリピンは二桁下落し、ベトナムは微増で安定と、単価は二極化しました。中国は先端領域と既存拠点連携、インドは英語ベースの先端・大規模案件、フィリピンは英語圏向けとサポート併用、そして日本語で細かく詰めながら継続開発する案件はベトナム。国ごとに向く案件が違います。
技術領域・コストと品質のどちらを重視するか・日本語の必要度の3軸で選び、必要なら案件の種類で国を使い分ける「複数国併用」を取り入れれば、1か国依存のリスクも避けられます。
私は人材業界の出身で、2018年からベトナム・ホーチミンで約100社の開発体制を支援してきました。ここ1〜2年は「中国からの分散」の相談が増えており、その現場感も交えて、本記事では6か国の比較表、中国・インド・フィリピンの深掘り(強み・弱み・向く案件・2026年の位置づけ)、国の選び方3軸と複数国併用、ベトナムの位置づけの順で整理します。当社はベトナム拠点ですが、他国を否定せず中立に比べます。
読み終えるころには、自社の案件にどの国が向くか、複数国をどう使い分けるかを社内で説明できる状態になっているはずです。まずは、6か国の比較表から確認していきましょう。
目次
- オフショア開発の委託先6か国を比較
- 6か国比較表(ベトナム・中国・インド・フィリピン・バングラデシュ・ミャンマー)
- 2025年に起きた3つの変化
- 「安い国=総額が安い」ではない
- 中国・インド・フィリピンを深掘り
- 中国——世界トップの技術力と日本語人材、単価高騰(+31.3%)と地政学・データ規制リスク。「コスト目的では選ばず、先端R&Dと既存拠点連携に絞る」
- インド——AI・データ分析・大規模SIの技術力と英語、単価は二桁下落。時差3.5時間と日本特化企業の少なさ、品質管理が課題。「英語ベースの先端・大規模案件の国」
- フィリピン——英語公用語・時差1時間・BPO/サポート・UI/UX。大規模開発の対応力と技術層が課題。「英語圏向けとサポート併用の国」
- 国の選び方3軸と複数国併用
- 選び方3軸: 技術領域(品質重視か先端か)、コストと品質のどちらを優先するか、日本語でのやり取りがどこまで必要か
- 複数国併用(表): 基幹・継続開発はベトナム、コスト重視の付随開発はフィリピン・インド、先端R&Dは中国・インド、サポートはフィリピン。小さく始めて確かめる
- ベトナムの位置づけと当社
- オフショア開発の国選びでよくある質問
- Q1. 中国のオフショア開発は撤退すべきですか
- Q2. インドは本当に安くなったのですか
- Q3. フィリピンは英語ができないと無理ですか
- Q4. 複数国の併用はどう始めればよいですか
- Q5. 迷ったらどの国を選べばよいですか
- まとめ: 国は「安さ」ではなく「案件との相性」で選ぶ
オフショア開発の委託先6か国を比較——シェア・単価・言語・時差・得意領域・リスク(白書2025年版)

まず全体像です。この章では、日本企業の主な委託先6か国を、オフショア開発白書2025年版のシェアと職種別単価、言語・時差・得意領域・リスクで一覧にし、2025年に起きた3つの変化と、単価だけで比べてはいけない理由を整理します。数値は発行元のオフショア開発.comが自社サイトで公開している値を2026年9月21日に直接確認したもので、単価は白書2025年版、委託先シェアは同社が公開している白書2024年版(2024年実績)のランキングです。発行元が公開していない国のシェアは載せていません。
6か国比較表(ベトナム・中国・インド・フィリピン・バングラデシュ・ミャンマー)
国 | 委託先シェア(白書2024年版) | PG単価(万円/人月・白書2025年版) | PG単価の前年比 | 言語 | 時差 | 得意領域 | 主なリスク |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
ベトナム | 42%(1位) | 40.1 | +1.8% | 日本語対応BrSEが豊富 | 2時間 | Web・業務系・AI・ラボ型・DX | 人材流動性、単価上昇 |
中国 | 26%(2位) | 58.3 | +31.3% | 日本語対応可 | 1時間 | モバイル・IoT・大規模・先端(AI) | 地政学・データ規制、単価高騰 |
インド | 7%(3位) | 37.5 | -29.6% | 英語中心 | 3.5時間 | 大規模SI・AI・データ分析 | 時差、離職率、日本特化企業の少なさ |
フィリピン | 発行元の公開なし | 37.2 | -13.5% | 英語が公用語 | 1時間 | BPO・カスタマーサポート・アプリ・UI/UX | 大規模開発の対応力、離職率 |
バングラデシュ | 発行元の公開なし | 33.8 | -3.4% | 英語・一部日本語 | 3時間 | コスト重視の大規模リソース | 職種間の実力差、管理人材の希少性 |
ミャンマー | 発行元の公開なし | 27.5 | +2.2% | 日本語対応者は一部 | 2.5時間 | Web・若手育成 | 政情不安、技術層、インフラ |

シェアは発行元が公開している白書2024年版(2024年実績)の国別ランキング、単価は白書2025年版のプログラマー平均人月単価です。ブリッジSEやPMの単価は各国で異なり、ベトナムはBrSE59.0万円・PM71.4万円、中国・インド・フィリピンはさらに高い職種もあります。職種別の詳細はベトナムオフショア開発の単価相場をご覧ください。
2025年に起きた3つの変化——中国の減少と単価高騰、インド・フィリピンの単価下落、新興国の台頭と分散化
第一の変化は中国です。発行元が公開する直近のランキングではベトナム42%に対して26%で、プログラマー単価は前年比+31.3%と急騰しました。カントリーリスクと単価上昇で他国へ分散する企業が増えた一方、技術力は依然として高く、撤退ではなく「グローバル開発体制の一部」として位置づけ直す企業も増えています。第二の変化はインドとフィリピンの単価下落です。プログラマー単価は前年比でインドが-29.6%、フィリピンが-13.5%と下がり、競争激化と供給増による価格調整局面に入っています。コストメリットは大きくなりましたが、人材の流動性と品質維持のリスクを含みます。第三の変化は新興国の台頭と分散化で、バングラデシュやフィリピンに加え、東欧・ネパール・スリランカ・タイなども発注先の候補に上がるようになりました。1か国依存のリスクを分散する動きの表れです。白書の全体像はベトナムオフショア開発の現状で整理しています。
「安い国=総額が安い」ではない——管理コストと品質リスクで逆転する
比較表の単価だけを見ると、ミャンマーやバングラデシュが最も安く、インド・フィリピンがベトナムより安い局面もあります。しかし新興国や単価が急落した国では、コミュニケーション・品質管理・継続運用の負荷が上がり、ブリッジSEやPMの工数と手戻りで、結果的にコストメリットが薄れることが少なくありません。私が約100社の体制を見てきた経験でも、単価の安さで選んだ委託先で日本側の管理工数が倍になり、削減分が消えた例は珍しくありません。国は単価ではなく、体制(PM・BrSEの能力)・品質管理の仕組み・要件変更への対応力まで含めて総合的に見極める必要があります。では、中国・インド・フィリピンはそれぞれどんな案件に向くのでしょうか。次章で3か国を深掘りします。
中国・インド・フィリピンを深掘り——強み・弱み・向く案件・2026年の位置づけ

ベトナム以外で名前が挙がる3か国を、強み・弱み・向く案件・2026年の位置づけで整理します。当社はベトナム拠点ですが、この章では各国の公開情報と白書のデータに基づき、中立に比較します。「安いから」「有名だから」で1か国に決め打ちすると、案件とのミスマッチが起きます。
中国——世界トップの技術力と日本語人材、単価高騰(+31.3%)と地政学・データ規制リスク。「コスト目的では選ばず、先端R&Dと既存拠点連携に絞る」
強み: 日本のオフショア開発の歴史は中国とともに歩んできました。地理的・文化的な近さ、時差1時間、長年の日本向け開発で育った日本語人材が豊富で、日本国内にも中国人エンジニアを擁する企業が多く、円滑なコミュニケーションが取れるケースがあります。技術力は世界トップレベルで、BATH(バイドゥ・アリババ・テンセント・ファーウェイ)に代表されるようにAI・IoT・ビッグデータ・自動運転など先端領域では中国企業でしか実現できない開発もあります。既に中国に営業拠点などを持つ企業は、既存拠点との連携を視野に入れられます。
弱み: 単価の高騰です。白書2025年版でプログラマー単価は58.3万円(前年比+31.3%)、シニア+23%、ブリッジSE+16.6%、PM+12.4%と軒並み上昇し、場合によっては日本国内と同等かそれ以上のコストになります。純粋なコスト削減が目的なら、もはや魅力的な選択肢ではありません。さらに深刻なのが地政学・データ規制のリスクです。2023年7月1日に施行された改正反スパイ法について、ジェトロは、スパイ行為の対象が国家機密・機密情報にとどまらず「国家安全保障上の利益」に関わるあらゆる文書・データ・資料・物品にまで拡大された一方、その範囲が明確に定義されていないと報じています。外資系企業にとっては予測しにくいリスクであり、当社にも中国から東南アジアへ体制を分散したいという相談が増えています。
向く案件と2026年の位置づけ: 中国はもはや「コスト削減のオフショア先」ではなく、「特定の高度な技術開発」「既存の中国拠点との連携」など戦略的な目的での活用が中心になります。全面撤退ではなく、先端技術のR&D拠点として位置づけ、開発体制の「選択と集中」を行う。既存システムの保守で中国のチームが詳しい場合は残し、新規の継続開発を別の国で小さく始める段階的な分散が現実的です。
インド——AI・データ分析・大規模SIの技術力と英語、単価は二桁下落。時差3.5時間と日本特化企業の少なさ、品質管理が課題。「英語ベースの先端・大規模案件の国」
強み: インドはオフショア開発の黎明期から世界をリードしてきた「IT超大国」です。AI・機械学習・データサイエンス・クラウドなど最先端技術に精通したエンジニアが豊富で、SAPのような大規模基幹システムや高度な技術を要するプロジェクトでは代替が難しい存在です。英語が準公用語で、欧米企業との豊富な取引実績に基づくグローバル標準のプロジェクト管理能力があり、世界展開を前提としたプロダクト開発や24時間体制のフォローで真価を発揮します。白書2025年版ではプログラマー37.5万円と各職種で二桁下落し、「割高」というイメージが変わって、コスト面での評価が高まっています。
弱み: 時差が3.5時間あり、東南アジアより大きいため、リアルタイムのコミュニケーションが取りにくく、スケジュールに余裕が要ります。膨大な数のIT企業がある一方で日本市場に特化した企業は限定的で、信頼できるパートナーを探すリサーチが難しい。遠隔での品質管理と進捗の可視化が課題で、問題が発生しても積極的に報告しない傾向があるとも言われ、発注側のこまめな確認が欠かせません。離職率の高さも指摘されています。
向く案件と2026年の位置づけ: 英語でコミュニケーションが取れる社内体制があり、AI・データ分析など先端技術や大規模SIを、コスト効率よく高度人材で進めたい案件に向きます。単価下落を「安い」と飛びつくのではなく、品質と納期の安定を契約前に見極め、実績のあるパートナーを選ぶ姿勢が要ります。なお、ベトナムもAI・クラウドの対応力は急速に上がっており、当社でもLLMを組み込んだAIチャットボットなどを生成AI・AIコーディング支援を標準で使う体制で開発しています。「AIならインド」と決め打ちする必要はありません。AI時代の使い方はオフショア開発とAIをご覧ください。
フィリピン——英語公用語・時差1時間・BPO/サポート・UI/UX。大規模開発の対応力と技術層が課題。「英語圏向けとサポート併用の国」
強み: 最大の特徴はアジア随一の英語力で、英語が公用語のため英語ベースのグローバルプロジェクトや海外向けプロダクト開発との相性が良好です。時差は1時間で日中の同期がしやすく、BPO大国として培われたカスタマーサポート・運用保守までのワンストップ対応力があります。デザイン・UI/UXの分野でクリエイティブ能力が高いと評価されます。人口構成も若く、フィリピン統計庁(PSA)の2024年国勢調査(POPCEN)では世帯人口の中位年齢は27.7歳(2015年24.3歳、2020年25.3歳)で、上昇傾向にはあるものの人材供給に厚みがあります。白書2025年版ではプログラマー37.2万円と二桁下落し、コストパフォーマンスも上がりました。
弱み: 大規模開発や高度な技術開発への対応力は、ベトナムや中国・インドに比べて課題が残るとされ、技術層の厚さでも差があります。離職率が高めで、単価下落は人材の流動性と品質維持のリスクを含みます。日本語人材はベトナムより少なく、日本語で細かく詰める案件には向きません。
向く案件と2026年の位置づけ: 英語圏向けのサービス開発、海外展開を視野に入れた案件、開発とカスタマーサポートやBPOを一体で組みたい案件に向きます。「開発はベトナム、英語のサポートはフィリピン」のように、他国と併用する形も現実的です。
3か国はいずれも「向く案件」が明確に違います。では、自社の案件はどの国に向き、複数国をどう使い分ければよいのでしょうか。次章で選び方の3軸と併用の考え方を示します。
国の選び方3軸と複数国併用——ベトナムの位置づけと当社

国ごとの性格が分かったら、自社の案件に当てはめます。この章では、国を選ぶ3つの軸、案件の種類で国を使い分ける複数国併用の考え方、そしてベトナムの位置づけと当社の役割を整理します。「安いから」「有名だから」ではなく、案件ごとに見極め、必要なら複数の国を使い分ける柔軟さが、これからのオフショア開発を成功させる鍵です。
選び方3軸: 技術領域(品質重視か先端か)、コストと品質のどちらを優先するか、日本語でのやり取りがどこまで必要か
第一の軸は技術領域です。品質の安定感と業務システムの実績で選ぶならベトナムや中国、AI・データ分析など先端領域や大規模SIならインドや中国、英語圏向けのサービスやBPO併用ならフィリピンが候補になります。第二の軸は、コストと品質のどちらをより重視するかです。品質・実績重視の案件はベトナム・中国、コストを優先したい付随的な案件はフィリピン・インド、バングラデシュのように職種で実力差が大きい国は任せる工程を工夫します。第三の軸は日本語の必要度で、日本語で細かく詰める必要があるならベトナム(または中国)、社内に英語で回せる体制があるならインド・フィリピンまで候補が広がります。3軸を先に決めてから複数のベンダーに話を聞くだけで、案件とのミスマッチは大きく減ります。
複数国併用(表): 基幹・継続開発はベトナム、コスト重視の付随開発はフィリピン・インド、先端R&Dは中国・インド、サポートはフィリピン。小さく始めて確かめる
案件の種類 | 向く国 | 理由 |
|---|---|---|
基幹・業務システムの継続開発、仕様が動く新規事業 | ベトナム | 日本語BrSE、対日実績、時差2時間、ラボ型との相性 |
コスト重視の付随的な機能開発 | フィリピン・インド | 単価下落でコスト評価が上昇。管理は英語で |
AI・データ分析など先端領域のR&D、大規模SI | インド・中国 | 技術層の厚さ。中国は既存拠点との連携も |
英語圏向けサービス、カスタマーサポート・BPO併用 | フィリピン | 英語公用語、BPOのワンストップ、時差1時間 |
既存システムの保守(中国のチームが詳しい場合) | 中国(残す) | 全面撤退ではなく段階的分散 |

開発規模が大きいほど1か国集中のリスクは増します。為替や政情が動いたときに体制ごと揺らがないよう、案件の内容で国を使い分け、窓口を1つに絞らず複数のパートナーと関係を築いておく企業が増えています。ただし、複数国併用は管理の窓口が増えるので、いきなり大きく分けず、小さな発注から始めて実力を確かめながら任せる範囲を広げてください。会社の比較の仕方はオフショア開発会社の選び方で整理しています。
ベトナムの位置づけと当社——日本語で詰める継続開発の受け皿。私が勧める「中国からの段階的分散」
ベトナムは、単価と技術力のバランス、日本語人材の厚さ(国際交流基金の2024年度日本語教育機関調査で学習者16万4,495人)、時差2時間、対日実績(委託先シェア42%)で、日本語で細かく詰めながら継続開発する案件の第一候補です。単価は年々上がっていますが、上の使い分けで「基幹・継続開発」の受け皿として最も安定しています。判断がつかない場合も、対日実績が最も多いベトナムで小規模なパイロットから始めるのが安全です。ベトナムを選ぶ理由と都市・契約の実務はベトナムオフショア開発をご覧ください。
私は人材業界の出身で、2018年からホーチミンで約100社の開発体制を支援してきました。ここ1〜2年で増えた「中国の委託先の単価が急騰し、法務がリスクを懸念する」という相談には、全面撤退ではなく、既存システムの保守や先端領域は中国に残し、新規の継続開発をベトナムで1〜2名から始める段階的な分散をお勧めしています。当社(TALENTBASE VIETNAM)は、2,000名以上のIT人財データベース(日本語N1〜N2相当を含む)から直接アサインし、日本人PMまたはブリッジSEをフロントに置く体制を1名から最短2週間で組めます。契約前にお客様と候補者が面談し、増員は約1週間、交代は1か月単位で、契約と支払いは日本国内の法人と日本法準拠です。単価は実務3年目安1,500USD(約22.5万円、1USD=150円換算目安)から公開しており、当社調べで市場相場の約1/2です。
現在の体制と要件をお聞かせいただければ、3軸でどの国が向くかの整理を含めて、ベトナム側の体制と概算見積もりでお答えします。ベトナムが合わない案件には、その旨も率直にお伝えします。
オフショア開発の国選びでよくある質問

オフショア開発の委託先の国について、検討中の担当者から繰り返し聞かれる5つの質問に短く答えます。社内で候補国を説明する際の確認事項や、開発会社への質問の下書きとしてお使いください。
Q1. 中国のオフショア開発は撤退すべきですか
全面撤退より「選択と集中」が現実的です。単価は+31.3%と高騰し地政学・データ規制のリスクもありますが、先端技術のR&Dや既存拠点との連携、既存システムの保守では中国のチームに優位があります。新規の継続開発を別の国で小さく始め、段階的に分散するのが安全です。
Q2. インドは本当に安くなったのですか
白書2025年版では各職種で二桁下落し、プログラマーは37.5万円とベトナムより低い水準です。ただし供給過多による価格調整で、人材の流動性と品質維持のリスクを含みます。時差3.5時間と日本特化企業の少なさもあるため、英語で回せる体制と、実績のあるパートナーの見極めが前提です。
Q3. フィリピンは英語ができないと無理ですか
社内に英語で回せる担当がいるか、日本人のブリッジSEを置く会社を選ぶ必要があります。フィリピンの強みは英語力・時差1時間・BPO併用・UI/UXで、英語圏向けのサービスやサポートとの一体運用に向きます。日本語で細かく詰める案件なら、日本語人材が厚いベトナムのほうが向きます。
Q4. 複数国の併用はどう始めればよいですか
いきなり分けず、まず1か国で小さく始めて体制を安定させ、次に「英語のサポートはフィリピン」「先端R&Dはインド」のように、既存の体制と切り分けやすい案件から2か国目を小規模に試します。窓口が増える分の管理工数を織り込み、各国のパートナーと契約条件(解約・引き渡し)を揃えておいてください。
Q5. 迷ったらどの国を選べばよいですか
日本語で細かく詰めながら継続開発する案件なら、対日実績が最も多く時差2時間のベトナムで小規模なパイロットから始めるのが安全です。英語ベースの先端・大規模ならインド、英語圏向けとサポート併用ならフィリピン、既存拠点との連携や先端R&Dなら中国が候補。
まとめ: 国は「安さ」ではなく「案件との相性」で選ぶ——3軸と複数国併用、迷ったらベトナムで小規模パイロット
オフショア開発の委託先6か国は、発行元が公開する白書2024年版のランキングでベトナム42%・中国26%・インド7%が上位で、プログラマー単価(白書2025年版)はベトナムが微増で安定(40.1万円)、中国が+31.3%と高騰(58.3万円)、インド(37.5万円・-29.6%)とフィリピン(37.2万円・-13.5%)は下落と二極化しました。中国は世界トップの技術力と日本語人材を持つ一方で単価と地政学・データ規制のリスクがあり、「コスト目的では選ばず、先端R&Dと既存拠点連携に絞る国」。インドはAI・データ分析・大規模SIの技術力と英語が強みで、時差3.5時間と品質管理が課題の「英語ベースの先端・大規模案件の国」。フィリピンは英語公用語・時差1時間・BPOとUI/UXが強みで、大規模開発の対応力が課題の「英語圏向けとサポート併用の国」です。
国は、技術領域(品質重視か先端か)、コストと品質のどちらを優先するか、日本語でのやり取りがどこまで必要かの3軸で選び、基幹・継続開発はベトナム、コスト重視の付随開発はフィリピン・インド、先端R&Dは中国・インド、サポートはフィリピンのように、案件の種類で使い分ける複数国併用も現実的です。「安い国=総額が安い」ではなく、管理コストと品質リスクで逆転することを忘れないでください。
日本語で細かく詰めながら継続開発する案件はベトナムが第一候補で、判断がつかない場合も対日実績が最も多いベトナムで小規模なパイロットから始めるのが安全です。当社はホーチミンで日本語N1〜N2相当の人財を直接アサインし、日本人PMをフロントに置く体制を1名から最短2週間で組み、中国からの段階的な分散の受け皿にもなっています。ベトナムを選ぶ理由はベトナムオフショア開発、国別の単価はベトナムオフショア開発の単価相場もあわせてご覧ください。現在の体制と要件をお聞かせいただければ、どの国が向くかの整理と概算見積もりでお答えします。